2010年6月21日月曜日

イギリスの桶狭間で頑張りました

 人生のなかで募金活動をしたことのある人が何人いるだろうか?
 
僕は自分の人生でそういうシチュエーションになることは無いと思っていた。

 渋谷や梅田の広場で歌を歌い事も無いと思っていたし、

何か人前に見せれるような技術は僕には無い。
 
 でも今それをしている、はっきりいって僕は日本ではする自身が無い。
 
 でも旅の恥はかき捨て、ではないけど、こっちだとできるし、意外と

 みんな喜んでくれる。そして不思議なことにお金をくれる。


 先週はリンカーンという古い町に行った、

丘の上におそらく日本のマンションでいうと

10階建てくらいの高さで奥行きも100メートルくらいある大きな教会があって、

その向かいに石垣があり、お城がある、

おそらく300年とか500年とかのレベルで建っているたてもので、

しかも教会はそれだけ大きな建物の中がワンルームだということが恐ろしい、

イギリスの建築の技術は恐ろしいし、地下にプレートが走ってないから、

地震が起こらないというのは恐ろしい事だと思った。


 でもよく考えたら京都の清水寺は日本人の僕が見ても恐ろしいし、

あっちのほうがさらに古いと思うと、日本もかなり恐ろしい国だ。

 まあ別に恐ろしいという表現はあってるかどうかはわからないけど、

実際に目の前に建ってそれだけ大きな建物が何百年もそびえたっているというのはそれだけで

僕にとっては恐ろしいことなのです。
 


 その下は城下町になっていて、

おそらく昔は商人たちが住んでいたのだろうけど、

今はショッピングセンターが果てしなく続いている。

昔ながらに残っているのは石畳の道くらいのものだ。

 

6人で行ったのだけど、募金活動をするのに駐車場代の300円がもったいない、

ということで、城下町にある教会にいって

「募金活動を一日するので、車停めても良いですか?」

って言って、募金活動をしながら売る200円のマガジン
(僕らの活動とかアフリカの現状なんかが書いてある、自分達で作ったマガジン)
 
を渡して説明すると、

「偉いぞ、頑張れ!」

と言って、ただでおかしれくれる、きちんと話せばきちんと受け入れてくれる、

それがイギリスの面白いところです。

 ちなみに僕らは城下町に車を止めたので、

みんな町の真ん中まで一緒に歩いて行って、そこで解散した。

 1時にここでみんなで昼食、その後4時まで頑張る!
 
ということになった、メンバーはフランス人、ハンガリー、

ブラジルが二人、イタリア、僕の6人。

 みんなは町に降りていったけど、僕は丘の上にあるお城に興味があったので、

とりあえず観光しなきゃと思って丘をひたすら登って行った。

 圧倒的な教会の大きさと、お堀の高さに少し感動していたけど、

頭の半分は募金の事を考えていた。そして気がついてしまった。

 観光客用の駐車場は丘の上にある、みんなそこに車を停めて、お城と

教会を観光してから、細くて急な坂道を下って、

城下町のショッピングセンターに下りていく、

そして昼飯を食べて、また坂を登っていくのがこの町の仕組みだ!

 ということで細くて急な石畳の道の道幅が少し細くなったところで

募金活動をすることにした。
 
「ここがこの町の桶狭間だ!」
(信長が2千人くらいで今川義元の4万人の軍勢に勝利したところです。
ようは道が狭くて4万居ても意味が無かったところです。)
 
しかも僕は立ってする募金は疲れるので椅子とマガジンラックを持ってきて、

道のくぼみに座って

 「ハロー、良い一日を!」
 
を繰り返します。たまに止まってくれる人には僕のバヌアツの頃の写真をみせて

僕は体育を教えにアフリカに行きます。

って伝えます。でもおそらくみんなはバヌアツをアフリカだと思っているので、

「アフリカに戻るんだね!では100円!」

って感じでお金を投げ入れてくれます。募金箱には

 「あなたの一円が笑顔を作ります、サンキュー!」

っていうなんかいい加減なスローガンが、書いてありますが、

みんなポケットに一度手を突っ込めば、一円だけを出すのが逆に面倒になって、

30円くらいは入れてくれます。

 そんな事を2時間くらい繰り返していると千円くらいの小銭がかごにたまりました、

その頃になると、城下町に下りて昼飯食べて戻ってくる人達がまた坂を登りだします。

 「お前まだいたの、お前に言われたとおりに俺達良い一日過ごせたから、ハイ募金!」
 
っていって投げ入れてくれます。 

 それを見た他の人も、

「じゃあ俺も募金!」

立ち止っている人をみて坂を下ってる人達も

「とりあえず募金!」

それをみた回りのお店の人達が、

「じゃあ俺はポテトチップを募金!」(お金じゃないから寄付になるのか)

 通り過ぎた家族から子供だけが戻ってきて、

「はい募金、そして握手!」

 その頃になると僕は楽しくなってきてお金なんてどうでもよくなり、

ひたすらみんなに挨拶するだけで

「はい募金!」

 2時ごろになるとイギリス特有の薄暗かった雲の間から

木漏れ日が僕を照らしてくれて、ちょっと体も暖かくなり、

「神様が応援してくれてる。」

となんとなく感じながら、またみんなに挨拶、

かごに小銭がいっぱいになってきて、

不思議なことにお金が沢山入ってるのを見ると、人は

「自分も入れなくては!」

 と思ってくれるみたいで、

「はい募金!」

坂を下る時に空だったカゴにお金が沢山になっているのをみた帰りがけの人が喜んでくれて
 
「はい募金!」 
 
 そんな感じで時間は4時、坂を下って城下町のみんなに合流、

即効でショッピングセンターのトイレに駆け込みました。 

一人の募金活動は寒いし、トイレに行けないからね。

 他のみんなには

「今日は全く駄目だった」

「みんな私達がアフリカに行くことをしっていたし、既に日本人に募金したって言われた」

 ウラは昼飯にも来ないでどこに居たの?っていわれて

 「桶狭間!」

っておもったけど、言ってもわからないよね。

 みんな平均千五百円くらいなんだけど、

僕はたぶん三千円は言ったはず、って思いながらもそこから2時間かけて

学校に戻りました。

 結局もどってきて全部数えたら60ポンド、

日本円にしたら八千円くらいになっていました。

イギリスは物価が安めだから八千円は結構なお金です。

 まあこんなに上手く行く日は無いと思いますが、

でも僕たちは半年間のイギリス生活で四十五万を集めてそのお金でアフリカに行くので、

本当に助かりました。

 募金してくれたみんなの気持ちを無駄にしないように

頑張ってアフリカに行こうと思います。
 
イギリスの皆様ありがとう!