2011年3月2日水曜日

「中途半端に賢い人」と「本当に賢い人」


 <僕の髪はこちらでは珍しいけど、黒人の人の髪ってとっても
  やわらかくて驚きます。フワフワです>

 僕は大学から社会人3年目まで、7年間ずっと2軍でした、いつも試合で

活躍している同期や先輩の姿をみて、自分もいつか試合に出たい!

 って思っていたし、試合に出てる人の何か助けになれば。

と思ってチームの為にがんばっていました。

 そういう2軍の選手から見ると、一軍の選手の中でも二つのタイプの選

手がいることがわかります。

 一つはプレーできていることに感謝できている選手、二軍の僕達のこと

も気遣ってくれて、自分が活躍することよりも、チームの勝利を考えてい

る選手、そういう選手が試合中に良いプレーをすると、試合に出ていない

こちらも感動するし、たとえそういう選手が良いプレーができなかったと

しても

「頑張って欲しい!」

 という気持ちが沸き起こります。試合中でも思わず

「今日も期待してますよ!」

って声をかけに行ってしまいます。

 それがその人にどれほどの効果があるかわわからないけど、

みんなが必死なときにたとえ2軍の僕からでも励ましてもらえることはと

ても意味があると僕は思います。

 もう一つはもともとセンスがあってあまり努力しなくても活躍できる選

手、どちらかと言えば、毎日努力しても試合に出れていない僕のような選

手が馬鹿らしく見えるし、へたくそな選手に足を引っ張られてチームが負

けるのは迷惑だ、と考えている選手。

 仕事なら40代、50代で結果が出ることが多いから実力と人間としての

器が同じタイミングで育ってくると思うけど、スポーツは10代、20代

ですでに一流になれるものね、逆に30代に入ると練習量が落ちてしまう

のは仕方が無いよね。

 だから人間としての器が出来上がる前にものすごい地位と名声を手にし

てしまえば、そうならないほうがおかしいのだと思います。

 そして、

「俺がこれだけ頑張っているのに、ほかの選手のせいで勝てなかった」

「へたくそ組のやつらは今の倍は練習してもらわないと、チームは勝てない、それがチームのためだ」

「もっと自分は尊敬されるべきだ、これだけ試合中にチームで貢献しているのだから」

 というような気持ちが起こるのだと思います。

 そしてそういう選手が怪我で練習を休んでいたり、辛い練習をしなかっ

たり、練習に遅れてきたりすると、なんとなく2軍にいる僕は

「シラケテ」しまうよね。

 その人の倍は努力してるはずなのに、才能が無い、認められない、チー

ムのお荷物扱い、フットボールではなくて仕事でしか貢献できない僕とし

ては素直にチームを応援できなくなるのだと思います。

 今となっては

僕の努力の仕方が間違っていたからいつまでも2軍だったのだ!

 と認めるしかないですけどね・・・・

 まあそのときは若かったし、やっぱり悔しかったのを思い出します。

 そんな話をなぜ今ごろ思い出したかというと、

才能だけがある選手を「中途半端に賢い人」とすると

才能があってしかも2軍の選手やチーム全体のことを考えることができる

選手は「本当に賢い人」

なのだと思うからです。そこまで気がつけるというのは本当に賢いのだと思います。

 中途半端に賢い選手は

自分のため、自分の名誉のため、自己満足のためにプレーするし、自分の

才能を使うと思いますが。

 本当に賢い人は自分の才能を、組織全体のため、弱い立場の人のため、

世の為に使ってくれるのだと思います。

 そういった「使命感」を持ってる人は判断を間違えないし、自分の才能

以上のものを発揮することができるのだと重います。

 回りも応援してくれるしね。やる気が持続するのだと思います。

 でも「自己満足」の為にやっている人はやっぱり途中で挫折することも

多いのだと思います。そこで気がついて世の為人のためにと思える人もい

ると思いますし、

「俺がここまで頑張っているのみ、認めてくれなかった社会が間違っている」

となってせっかくの才能を無駄に終わらせてしまう人もいるのだと思います。

 ずっと2軍だった僕から見たら、なんともったいない・・・・

 ということになるのかもしれませんし、彼らから見たら

「ずっと2軍の奴は良いよな、栄光が無かった分、挫折を感じなくてもすむ、でも俺は一度頂点に立ったから落ちたときのショックは大きいのだ・・・」

 となるのかも知れません。

 僕の周りには「本当に賢い人」と「中途半端に賢い人」

の両方がいたと思います。

そして本当に賢い人は引退してもほかの業界で今でも輝いています。

そういう人は自分のためだけに努力しているのではないので、

判断力が良いし、使命感をもっています。

 挫折しても立ち上がります。やっぱり人間って自分のエゴだけの為に働

き続けることってよっぽどのエゴの強い人で無い限り難しいのだと思いま

す。家族のためとか社会のために働いているほうが人も集まってきて、

やる気が継続しやすいのだと思います。

 僕はいまだに人生は2軍ですが、先輩にもそして最近は後輩にも

「本当に賢い人」が出てきました。

 30代になって、そういう人達が自分の「使命」に気がついて、それぞ

れの道を進んでいくのを見ると、自分もエネルギーをもらえる気がします。

 それはちょうど試合中に

「今日も期待していますよ!」

って言いに行きたい気持ちと似ています。

 みんな僕より出世して、

 僕のことをいつか雇ってくれたらうれしいです。

 下働きならいまでも結構良い仕事する自身ありますよ。