2010年7月5日月曜日

シャンプーという犬の話し⑤



 <写真は僕が空気を入れすぎて割れてしまったボールをかぶっている
クリンクリンです。途中まで女の子だと思っていたけど、男の子でした、
声もとても可愛くて、行動も面白くていつも楽しませてくれました>

 シャンプーの様子を心配しながら週週間が経ち、夕方になっても彼女が

現れない日が続いてある日、子供たちがやってきて、

 「ウラ、犬の子供が沢山居るぞ、7匹も居る!」

とみんなで僕のところに報告に来ました。

 「シャンプーはジョンの家に戻ってそこで主産したんだな」

とわかって、少しほっとしたというか、ヤッパリ彼女のなかでは飼い主

はジョンなんだな。 とおもいながら、なんとなく自分の役目は終わった

ような気もしていました。

 子育てが忙しくて、彼女はもう家には来ないだろうというきもちでした。

 

 その二日後、シャンプーが幽霊のようにフラフラと家にやってきました。

 ガリガリに痩せて、毛並みはドス黒く、アバラが丸見え、出産したので

お腹の皮がたるんで、背骨というサオ竹に毛皮のシーツがかけられてるみ

たいに、まさに骨と皮だけになっていました。

 僕の顔を少し懐かしそうに見ると、すでに顔を上にあげることすらおっくうな感じで、

そのまあ家のベランダの一番風の良く通る、

冷たいセメントの上に横になって、ピックリとも動かずに眠ってしまいました。

 僕があわてて冷蔵庫から残り物を持ってきて、

彼女の鼻の前に並べてみましたが、優しい目でちらっと見ただけで、

口にすることはなく、死んでしまったのか?というくらいに静かに眠っていました。