2012年3月17日土曜日

毎日が無料のディズニーランドだった頃

子供の頃は日曜日になるとマンションの4階に住んでいたケンと

 3階のシーちゃんと三人で遊んでました、この二人以外は

 僕と遊ぶと怪我するから遊んではいけないと親から言われている

 みたいでした。

 遊ぶルートは最初にマンションのごみ箱に入り、なにかその日に使えそうな

 物をあさります、大型ゴミの日でゴルフクラブとかあればそれを

稲刈りの終わった田んぼに持って行ってゴルフをするし、

もしクラブはあってもボールがなければ

真ん中で折って、刀みたいに持ち歩きます。

折るときはコンクリートの壁の間に差し込んで、

力いっぱい押したり引いたりしているとポッキリ折れます。

 その先を石でコンコン叩けば先が平べったくなって、木でも、

土でもなんでも突き刺すことのできるスパスパ棒の完成で、

それだと攻撃力、

破壊力ともに80くらいと相当高めの武器になります。

 あとはジュウタンとかベニア板、スコップになりそうなもの、

 ムチになりそうなプラスティックの棒、ロープ、

フリスビーになりそうな園芸用の水受けのプラスティックの皿

 発泡スチロールはこすると分解されて雪みたいになるし

(後で掃除のおばさんにとても怒られるけどね)

ゴミ箱の中では想像力さえあればどんなものでも

 その日の「武器」となります。

 ドラゴンクエストの武器のようなもので良い道具を持っていれば

 その日は一日良い働きができるしまわりからも尊敬されます。


 でもマンションの管理人さんが一日に数回見回りにくるので、

そういうときはすかさず隠れます、

ゴミの小屋から逃げ遅れて中に潜んでいると、ホースで水を

かけられるという攻撃を受けます。

まあお互いに限度を分かってやってて

管理人さんもここら辺に逃げ込んで隠れているんだな?

って思ったあたりにイカク射撃に水をまいてる程度だから、

濡れたって大したことないけどいつ終わるかわからない水攻撃を

大型ごみのタンスの中や、ゴミの袋の間に埋もれたりして

 暗がりに隠れながら、水が自分の真上に水を振りかけられてい

る時の恐怖と隠れているタンスに水が当たってゴーゴーいう

水の音は、子供心にそれなりの覚悟と自立心を社会性を芽生え

させるのだと思います。

  あの頃はそう言った微笑ましくも暑い

「小学生なりの大人との戦い」

が僕達の世界ではありました。

うちは大型マンションだったので、

管理人さんもマンションの一階に住んでいてい、

何時もマンションの入り口のカウンターに座っているのだけど、

ゴミ箱に行く時はその前をとおると管理人さんに

 「悪ガキ3人げゴミ箱に行ったから、時間を見て追い払いに行こう」

 と思われると困るので、管理事務所の前は避けて裏の階段から行く

ようにしていました。

 今だったらゴミ箱の監視カメラが付けられていて、

そういうこざかしいことを考えることすら

意味がなくなってしまうよね。アナログ時代が懐かしいです。




僕達の武器になったそれらのアイテムを刀のようにベルトにさしたり、

ブンブン振り回してより良い使い方を考えたりしながら
 
山に入ってとりあえず木に登るか、崖を削って基地を作るか、

竹藪に入って竹を切って弓を作るか、また弓ができたら野犬を狩りにいくか、

田んぼに行ってチャンバラをするか、

ひたすらみんなでヘビを探してながら川口ヒロシ探検隊の

歌を歌ってそこら辺をさまようのか?


適用な目的を立ててドラクエのように近所をハイカイします。

 そのうちに何処かで誰かが何か面白いことを発見して、

場当たり的にその日の遊びの場が決まります。



田んぼに積み上げられているワラをみんなで高く積み上げて山を作り、

その中にトンネルを作って遊ぶ時は常に農家の人の目を気にしてい

ないといけません。
 
 (でも田んぼの場合は場所が広いから逃げ場所が沢山あるけどね)

 バラバラに逃げて散った後にどこに集合するのか?

などみんなで決めておきます。 

 高い竹に囲まれた日の当たらない池は冬になると氷が張って靴の

ままスケートできたし、

氷の上でみんなで集まってジャンプすると亀裂が入ってヤバイ事に

 なるのだけど、それが楽しくて、氷を割って遊んでいたし。

 亀のいる池、ザリガニだけの池、コイがいる池、カエルのいる池、全部いる池があります

遊んでいても怒られない池、

雨が降ると水位が上がってその先の用水路に亀も帰るも蛇も流されてきて捕まえられる池

春になるとカエルるの卵が沢山浮かんでいて、

竹の棒で集めて誰の長靴に一番多く入れられるかを競える池。

 子供ながらにそう言った情報はすべて頭に入っていて、毎日楽しく遊んでいました。




注意の必要な池は「野犬注意」「オバン注意」、「マムシの注意!」「工事中立ち入り禁止」

がありましたが、そういう場所ほど遊んでいて面白いものでした。

全部いる池があって(注意ではなくて獲物がね)そこが一度駐車場に

なるというので、市役所の人がポンプで水を抜いて中の魚やカエル、

ザリガニ、亀などを全部回収する日がありました。

 小学校の帰りに池の前を通ると、

すでに回収されたコイとか何時も逃げられて捕まえられなかった大きな亀とかがすでに

プラスティックのタライの中で泳いでいました。子供はみんな野次馬のように役所の人が

 網で次々と獲物を捕まえるのを見ていました。

 すでに池の中にはほとんど何も居なかったけど、

かろうじて数匹の食用ガエルが泥の中に混じっていて、

目を開けた時だけその存在を示していました。

 それを見つけた僕とシーちゃんは、これは絶対に使命感をもって

 回収すべきだ。役所の人に褒められるかも。

 と思ったのか、単に池の水がなくなっているこのチャンスに何も
 
 捕まえられないのは悔しいと思ったのか、一目散にそのカエルを
 
めがけて池というよりすでに沼になっていた中へと突入していき

 ました、でも自分が池の中に入ってしまうとカエルを見失ったりして

 もう一度外にでて、また入ったりしているうちに池の真ん中あたり

 まで入ってしまって、すでにパンツも浸かって、胸のあたりまで

 ドロの中でした。

 シーちゃんは腰までつかっていました。

  結局カエルは捕まえられなくて、二人はがっかりして帰ったの
 
 だけど、それぞれ家に帰った後に

 「こんな腰の深さまで池に入ってあんたは本当にアホだね」

 って言われたシーちゃんはすかさず

 「でもウはここまで入ってたよ、どっちがアホなん?」


 って言って胸のあたりを水平にチョップみたいにしてさし示していたので呆れた

 と後日シーちゃんのお母さんがウチの母親に笑いながら話していた

 らしいです。


 今はディズニーランドでもコンピュータゲームでも

すでに用意されている面白い遊びが沢山あるけど、

 あの頃は想像力さえあればディズニーランド以上に面白くて、緊張感のある

 「大人が金儲けの為に作った準備された遊び」ではなくって

 子供がお金の代わりに想像力をつかって作った遊びがあったのだと思います。
 
 ゴミ箱から始まる遊びはまさにリサイクル、のエコな遊びだったのだろうね
 
 「ゴミ箱行こうぜ」

 から始まる、僕達の遊びは、僕の人生に大きな影響を及ぼしていると思うし

 それはフットボールの状況判断でも、協力隊でバヌアツに住んでいたときでも

 大いに発揮されたと思います。うちの親は電子ゲームもゲームオッチも

 ファミコンすら買ってくれなかったけど、今思えばそれは良かったんだろうな
 
 って思います。