2011年4月1日金曜日

「熟成」させること


<写真はプレファラトリオと呼ばれる、来年に入学予定ですが、すでに
学校で生活して準備をしている生徒たちです、約25名ですが、彼らが
一か月前に学校に来た時にすでに僕は学校にいたので、とても僕になついて
くれていて、とりあえず可愛い生徒たちです。みんな田舎の子が多くていつも
仲良くしていて微笑ましいです。一日に何度もこうやって水を汲みに行きます>
 

 イギリスの学校でも、今のアンゴラの学校でも、

何かを変える前には少しだけ

「熟成」させることが大切だな。 と感じています。

 たとえばイギリスの学校は食事の後の皿洗いを生徒がしますが、

食堂とキッチンが違うビルにあるので、食べ終わったお皿はプラスティッ

クのコンテナに入れて、カートで運んでいました。

 でも皿をきちんと重ねて入れないと、運んでいるときに

コンテナの中でお皿が崩れて、割れたりしてしまいます。

 マグカップは取っ手が取れてしまってよく湯のみのようになった

 マグカップで、コーヒーを飲んでいました。


  掃除に使うモップやホウキ、チリトリや水きりなどもトイレの角にま

とめて立てかけているので、

特にモップなどはいつも湿ってしまって不潔でした。

 トイレから持ってきたモップで食堂を掃除するのは誰もが

疑問に思っていましたが、みんなが日々の生活の追われてしまって、

忘れているか
 
「誰かが言いだすのを待っている」

 という感じでした。

 
でもそういうの変えるのって、その状況が悪いとみんなが感じてから、

しばらく「熟成」させて方が良いのだと思います。

 3割くらいの人が危機感を持っているときに変えてしまっても。

あとの7割の人は、

 「そうなんだ、やりかたが変わったんだ、でもなんで変えたのかな?
    
   でもまたすぐに戻るだろう」
 
 くらいの感じなのだと思います。

 皿洗いの仕方でも、モップのかたずけ方も、みんなが不便だなー。

 って思いだしてから、しばらく待っていると、

 何となくみんなの中の共通意識で。
 
「やっぱり変えないとな」

 みたいなものが生まれてきて、7割くらいの人が、

 その必要があると感じたころに、さりげなく。

 「実はさー、気になってたんだけどさー、俺はさー、もしみんながよかったらさー、お皿の入れるコンテナを、コップ用とお皿と分けいのだけど協力してくれるかな?」

 とか

「モップを壁に掛けられるようにホック作ったから、
 みんなに使ってほしいのだけどよいかなー、
 あとトイレ用のモップには赤いビニールテープ張ってみたから、
 試しに使ってみて、赤いのはトイレ用だから、
 食堂はそれ以外ので掃除してね」

 みたいな感じに、全員がいる前できちんとした改善策を持ってプレゼンすれば意外と組織って変わるものだと思います。

 でもポイントは7割の人が危機感を持つまでその問題を
 
 「熟成」させることだと僕は思っています。

 よくあるよね。気の付く人が何でも早々と変えてしまって、

周りの人はなぜそれを変えなければいけないのかよく理解していなくて、

新しいシステムが徹底されなくて、

常に中途半端な改善になってしまうことが。 

 
 あとこれは自分によくあることなのだけど、変えようかな?って

「熟成」させているうちに、ほかの人が気がついて、変えてくれるとき。

 そういうときには喜んでその人の意見を聞くべきだと思うし、

協力できます。
 
「俺もそう思ってたんだよね!」

 っていってその人のフォローするときに方が自分としては気が楽です。

 自分が言いだしっぺだと何となく荷が重いしね。


 まあいずれにしても改善策を誰かが打ち出したなら、

絶対にみんなに徹底させるまで、新しい状態を保つこと、

モップがフックにかかっているか1日何回もチェックすべきだし。

お皿の仕分けは誰かが混ぜてしまったら、すぐに戻しておくこと。 

不思議なことに最初の10人がきちんと分けて下げればあとの

100人はそれに従って無意識に分けてくれます。
 
だから最初の10人が下げたときに一度きちんと整頓しておけば

あとは何もしなくても問題はなしです。
 
それを2週間続ければあとは習慣化されます。

 ・熟成させること

 ・キチンとした改善策と一緒に全員の前でキッチリと伝えること

 ・その後の2週間はあきらめずに徹底して管理すること

  その三つができれば

 「あの人が言い出したことは常に実行される」

 という認識がみんなに伝わるものだと思います。

 

二か月が経って・・・


 <写真はビルディングウェークエンドといってみんなで学校の掃除、
農作業、雑草刈り、ペンキ塗りなどをするときのものです。
こういう状況に出くわしたら、
自分もクワを握って半日一緒に働いてみるとよいと思います。
午後には必ずこうなります。怒るべきところかもしれないけど、
一緒に働いていると怒れなくなるし、
逆に僕が一緒に働くと生徒も時には僕の言うことを聞いてくれるようになります>
 

 アンゴラに来て早2ヶ月。ブログも書こうと思ったんだすけど、

 何か頭が回らないと言うか、考えがまとまらないというか、

 書く気が起きませんでした。

 たぶん2か月経って、、この環境に慣れてきて、

体も心もホッとしてるのだと思います。

 最初は生徒の名前を覚えて、自分のできる仕事を探して、

学校の1日の流れ、自分が手伝えるところ、割りこめるところ、

 難しくて今はできないところなどを探っていましたが。

 ようやく、そういうのが落ち着いて、心と体が安心して、

落ち着いた感じがあります。しばらくボーっとしていました。

 それが2カ月という感じです。

 ちなみにこの2カ月で僕ができたことと言えば、

 ポルトガル語の基本がわかって、

あとは聞き取りと自分が使える単語の量を増やしていくこと。

 ほかの先生達がどれくらいのペースで働いているのかを見ること。
 
生徒の行動パターン、ポルトガル圏特有の自己主張の仕方になれること。

 買い物、水汲みなど自分の生活に必要なことを整えること。

 アンゴラの暑さと昼と夜の気温差に慣れること。
 
 生徒が1日どういう流れで食事を作っているのかということ。

 まあそんな感じです。

 一番勉強したのは食事のことです。

これは週に一度のローテーションで、6人チームですが、

3人の男子が三食に使う水をそのつど運んできて、

女子がおもに洗い物、そして女子男子ともに、料理をする。

 という流れです。 改善できるのは豆もコメも水に浸さずに、

いきなり煮始めるので、マメもコメも底は焦げて、

 上のほうは芯が残ってしまうことです。
 
芯があるのに焦げくさい。という

「ワイルドなのにまだケツの青い」

みたいな何とも不思議なご飯が炊きあがります。

 少しずつですが改善すべきところですが、今のところ許容範囲です。

僕はたまにいって皿洗いを手伝ったり、金タワシを買ってきて、まっくろ

だった鍋の外側を磨いたりしました。 

 キッチンにはギダさんというおばさんが生徒の面倒を見ながら、

料理の指導をしているので、ギダさんと一緒に働いています。

とても良いおばさんで僕のよき理解者です。

 生徒にきちんと怒れるのもギダさんの良いところです。

ちなみにギダさんは僕のこと大好きです。行く手放しで喜んでくれます。

生徒は僕が鍋を洗ったり、ゴミをマメに捨てたり、

女子しかしないような床の掃除とか、洗い物とかをしているのを見て、

安心感をもったくれたし。1日に6人ずつのグループで一緒に働くので、

 仲良くなれるし、とても親切にしてくれますし。少しずつですが、

僕の意見に耳を傾けてくれるようになりました。

 僕のほうもなにか改善しようかな?って思いながらも、

みんなと一緒に働いていると、まあこれでよいかな?

なんて、ミイラ取りがミイラになるように、

改善点を言えずにいたりもしています。

 でもそれで許せるなら良いよね。なんて思いながらも、

 最近は1日姿を見せないと、

「ウラ、なんで昨日はいなかったの?」

なんてみんなに聞かれたりして。少しうれしくなったりもします。

 ちなみに本日金曜日の午後から祝日の月曜日まで生徒たちは

家に戻れるようです。

みんなうれしそうに朝から溜まった洗濯物を洗って

帰宅に備えているようでした。 僕もゆっくりしようと思います。