2010年8月20日金曜日

チームワークについて4/6




 そこでどうやって助けるかが問題になります。

 よくこういう選手がいます。

「チームが勝っているのはおれが頑張ってるからだ、

おれは130%なのに70%の奴がチームにいるから、

いつまでたっても日本一にはなれない、70%の奴は今の倍は練習すべきだ。

だってそれはチームにとって迷惑だから、

おれたちは友達を作るために辛い練習しているのではない、

目標はあくまで日本一なのだ。」



 言ってることはあってます。

だってチームワークは勝つための要因の一つであって、

それがすべてではない、って僕も書いたし、70%の選手は努力するのは当たり前です。


 でも考えてみたら全員が100%の選手を

10人そろえることは無理なのだと思います。

どこのチームだって完全ではないから組織は面白いのだと思います。

巨人軍だって毎年日本一にはなれません。


 シーズン序盤は、130%の選手が多少は我儘でもなんとかなりますが、

プレーオフ、日本一をかけた決勝となると、

相手の選手のレベルも試合自体の質も上がってきて

130%の選手もたまにはミスをします。

ギリギリの試合になってくるからです。


 接戦が試合後半まで続き、

どちらのチームもものすごいプレッシャーの中で戦わなければならない時に、

もし130%の選手がミスをした時にチームの雰囲気はどうなるでしょうか?

 
 何となく「シラケル」のは当たり前です。

本人もまっとうな感覚を持っていれば、

自分の普段の行動や言動をが間違っていたことを反省するものだと思います。

 でも試合中にそんなことに気がついてもすでに遅いよね。

 試合で起こりうることはすべて事前に想定してそれに対して準備するチームが

 勝者になるのです。


何となくそのシラケタ雰囲気が少しずつ試合の流れを相手チームに運んでいきます。

 
 
 逆に130%の選手が常に謙虚で、文句も言わずチームの為に頑張っていたとします。

その選手が大舞台でミスしたとき、チーム全員が思うことはただ一つ。

 「あの人がミスしたのなら、おれが取り戻す!

            あの人のおかげでここまでこれたのだから」

チームがそういう流れになっていった時、

同じ力同士の試合では土壇場で少しずつ試合の流れは変わっていきます。

 
そういうチームは接戦になればなるほどさらに強くなっていきます。
 
まさしく試合を楽しんでいるのです、


 それが本当にスポーツを楽しんでいるときであって、

みんなが笑顔で楽しんでいるのとは全く違う楽しみです。

 ものすごく真剣、そして充実、心も体も震えます。

 信頼できるチームのみんなと一緒に何かに立ち向かえる時、

人間としてこれほどの充実感を味わうことはないと思います。
 

要は130%の選手が謙虚だと接戦になればなるほどチームの

結束は固くなるのです。 トップの選手が謙虚で我慢強いと、

下の選手も我慢できます。 接戦でのチーム内の崩壊はあり得ません。

 そういう雰囲気の中で勝ち取った勝利は、体が熱いのとは逆に

 背筋がゾーと冷たくなって、

眼球の裏が熱くなってから涙が押し出されるような感覚になります。
 
これ以上の充実感はないのだと思います。最高の勝利になります。