2010年7月11日日曜日

実は優しいイギリス人②



 <写真は車での移動中にいきなり現れたイギリスの墓地の中の
  建物です、あまりの素晴らしさに圧倒されましたが、どこの町にも
  こういった建物が中心にあり、近くに郵便局があり、人々が昔ながら
  の生活をしているのがイギリスです、たまに時間を忘れて見とれてしまいます>

今参加してるプログラムの団体は既に30年くらい続いている老舗の

ボランティアプログラムで、現在は600個もの古着集めのポストを

全国のスーパーとかパブ、商店の駐車場などに置かせてもらっています。

 今週の僕の仕事は古着集めのポスト
(と言っても幅1メートル、奥行きも一メートル、高さも1,5メートルくらいあります)

を飛び込みで

「置かしてください!」

と頼むものです、この仕事はかなり花形の仕事で、

どこの国の人もやりたがる仕事です、その名はズバリ「サイトファインディんグ」
 
チームの中でその仕事を割り当てられることは名誉なことなのです。

もちろん既に置いている場所のサンプルの写真とか広告などを見せながらですが、

正直いって

「置いて良いよ」って言われているのか

「興味無いよ」 って言われているのか

全く英語が聞き取れません。

 14人居るチームでなんでお前が選ばれたの?

 ってことになりますが、何故かは僕にも全くわからない、

おそらくこのプログラムの中では日本人はかなり優秀だという思い込みがあり、

過去の人達は実際に優秀だったようで、

プログラム開始当初の僕の人間性のメッキがはがれる前に先生が任命してくれました。

今は剥がれかけたメッキを張りなおすことに必死です。

最初から純金だったら楽だったのにね。

 ヨーロッパの人達は勝手に日本人は勤勉で良く働く、

と真剣に思っています。不思議です。

 そこでのイギリス人観察を再びレポートしたいと思います。

 日本で飛び込みの営業をすると、おそらくお店の店長は、

営業マンの笑顔が素敵だとか、対応が誠実だからとか、

人柄が良さそうで信頼できそうだから、ということで決めると思います。

 イギリス人はそういうのはあまり重要ではないみたいです。

物凄く眉間にしわを寄せて真剣に僕の説明を聞いてくれます。

それは僕の英語が片言だから、一生懸命に理解しようとしてくれているのです。

話している僕の気持ちとしては

「あ、この人怖い、断るな」

って思ってビビります。

 一通り聞き終わった後で、ゆっくりと腕を組んで、

時には手をあごの下に持ってきて、なにか一生懸命はなしています。

 断ってるのかな? っておもって少し弱気になって聞いていると

「ということは駐車場の奥ではみんなに見えにくいな、

ゴミ箱の横だと間違えてゴミを入れる奴もいるだろう、

道路から見えたほうが良いな、とりあえず一緒に駐車上に行こう」

 流れとしてはそういう会話になっていて、その間に一切笑顔なしです。

「ここならおそらくみんなが古着を入れるだろう」

 と言って、あっさり場所を提供してくれたりします。

 「お前、偉い仕事してるな」

 と真顔で褒められたりします。

 断るときもきちんと考えます。

 「うちの客はおそらく家族よりも圧倒的に男が多い。

だからせっかく置いてもらっても、君の利益になることは少ないと思う、

だから俺は断る、でもお前は良い仕事をしてる、頑張れ、すまんな」

 「あっちにスーーパーは既にビン、カンのリサイクルのポストを置いている、

おそらくあちらのほうが捨てる人は一度にまとめて捨てることができて

便利だと思うから、私は断る」

 とこちらの人間性ではなくて、

それが効率的で実用的なのかどうかを考えて返事をしてくれます。

 だからセールマンの人柄が良いからとりあえずOKしておいて、

後からヤッパリうちのお店向けではないから引き取ってくれる?

 というようなことは少ないと思います。

逆に言えば営業に必要以上の日本人の笑顔は必要ないということでもあります。

逆に「なんでわかってるのかな?」って思われてるかもしれません。

 
お笑い芸人のホッシャンも言ってました。

 先輩に言われて外国で夜中にお酒を買いに行った、

日本人は若く見られるからパスポートをきちんと持って行った、

でもレジにお酒を持っていったら、強面の親父が凄い勢いで話しかけてくる。

 何がいけないのかな?って思ったらその人は大まじめに

「お前、こんなに沢山買って、ポイントカードは作らなくて良いのか?」

と親切で聞いてくれていたらしい。

 それはどこの国の話かはわからないけど、イギリス人にはありえます。

そういう人達です。