2010年12月30日木曜日

管理と自主性②

 それで会社が考えたことは、

「お客は来ない、食材の質はこれ以上は落とせない、

となると手っ取り早く減らせるのは人件費だ」

 どうやって減らすかというと、マニュアルを徹底させて

 「無駄、無理、ムラ」

 をなくすのだ!
 
 「こういうマニュアルっていうかフレーズ作るの会社って好きだよね」

 そしてこういう方にはまったフレーズができてしまうと、恐ろしく

 それに向かって突き進んでしまいます。

 でも面白いことにファミレスのマニュアルはすべてキッチリ守ると、

 仕事は成り立ちません。


 たとえば料理はランチタイム8分、ディナータイム12分で出さなければならない。

 それが会社の目標、だから部長はとても厳しくそれに対して怒ります。

 それが過剰に管理されると今度は従業員が

 「いっぺんにお客さんが入店して、一度に注文すると、8分で出せなくなる、

  部長に怒られて、本部から変な肩書の奴が一週間お店に張り付くことになる、
 
 それを避けるためには、お客さんを一度に案内しないほうが良い」

 ということになり、 空席が沢山あるのに、入り口で待たせたりします。

 お客さんは不思議がります、

 「なんでいつもと違うの? いつも勝手に座らせてくれるじゃん!

 8分で料理出せないのこっちだってわかってるよ、だってランチは忙しいもの」

 みたいなことになります。 

 「こっちもわかってるけど、実は他に理由が・・・・」

 みたいなことになって何のためのサービスかわからなくなります。

 結局は10枚くらいオーダーが一緒に入ると物理的に無理になって、

 料理が出てないのに、勝手に出たことにしてしまいます。

 そしてみんなが思います

 「この意味のない作業が無ければもっと早く料理が出るのにね・・・・」

 部長は、料理が80%以上8分以内に出た! という数字だけをみて

 大喜びして、そういう人が会社の中では評価されます。

 被害者はお客さんです。

  従業員達はどんどんやる気を失います。 白けてしまいます。