2013年2月8日金曜日

バスは停車する前に立ってはだめか?

  先日バスに乗っていたら二人席で僕の窓側に座っている中年の女性が

バス停に泊まるたびにカバンの中に手を入れるので、お財布をだして降りるのだろうとおもって。

こちらが立とうとすると、結局下りない。それが八王子の駅からずっと続いた。 
 
バス停にとまるたびにカバンの中に隠してある何かを触っている。

  よくみるとその中には小さな紙が入っていて、運転手さんがキチンとバス停の案内をしている
か、安全運転の確認をしているか、「次停まります」とアナウンスしているかなどをチェックしているのだ。
  
   八王子のバスで圧倒的に運転手さんが注意していることは、


 「バスがバス停に停車する前に席を立たない」
                                                
しかしこれはとても難しいことだと思う特に自分だけしか降りないようなバス停では         

前もってバスの 前の方で準備しておいたほうが他の人にも迷惑にならないと思うし、         バスの遅れの防止に協力できるような気がする、 またバスが込んでいるときは、        人ごみを掻き分けている間にバスが発車してしまうという恐怖感もあるよね。
  
でも八王子のバスは老人が多いので、バスの停止のボタンを押して、
バス停までの間に席を立たれると停まるときに踏んだブレーキで転ぶ人がいることは         簡単に想像できるよね。
  それを防止するためだと思うのだけど、バスの中で                          

バスが停車する前に席を立たないで下さい!」

とマイクでアナウンスすると、その人に個人的に言っているようで、

バスの中の雰囲気がとても悪くなる。その人が支払いをする時に運転手さんも              「ご乗車ありがとうございました」とは言いにくくなってしまうのではないか?」
 と思うのは僕があまりにも考えすぎなのだろうか? 
  
逆にバスが止まってから一番後ろに座っていたお年寄りがゆっくりと前まで歩いてきて、
 バスから降りて行った場合運転手はイライラしないのだろうか? とも考えてしまう。         結局それでバスの運行時間に間に合わなくなれば次のバス停までの                    運転は荒くならざるを得ないのだ。
  
「お客さんの安全」 と 「規則正しい運行」 という大きな矛盾とプレッシャーに悩まされながら
  運転手さんは毎日頑張っているのだ。                                  

それを抜き打ちでチェックしているバス会社に雇われたおばさんの隣に座ってしまった僕は人生の厳しさについて改めて考えてしまった。
                                                           ほとんどの運転手さんが真面目にやっているなか一部の運転手が偶然に起こしてしまった事故の為にそれを防ぐ対策が立てられ、

バスが停車するまで席を立たないで下さい」

を徹底しようということになったのだと思うけど、

それによって運転手さんはますます窮屈になってしまっているのではないかと思う。
  
 ひとつのことを徹底しすぎるとほかの何かが犠牲にされるのだと思うのだよね。
 
   僕はイギリスのど田舎にいたけどバスは2階建てで、運転はきわめてあらく、
しかも2階の揺れは半端ではない。
  
そして暗黙のルールとしては自分が下りるバス停に停まったときには運転手の隣の降り口で待っていなければならない。 
 停まってからノロノロと2階から降りてきたら、みんなから
他人のことを考えない人間だ」という無言のプレッシャーを受ける。

だからと年寄りでも誰でもバスがまだ走っているのに2階から降りてくる、
田舎の道は車も少なくバスも結構なスピードで走っているし、ひとつのバス亭で降りる人は1人か2人ずつという感じなので、自分の為にバスの運行を遅らすわけには行かないという意識もあるのだとおもう。 みんな必死で下りてくる。
特に太ったおばあさんは相当辛そうだった。 一階に座っていれば良いとおもうかも知れないけど、1階は車椅子の人ベビーカーの人、杖をついている人の為に使うのが一般的で、

そこに健康な人が座ることはなんとなく避ける傾向があるからだ。
 おそらくイギリスのバスの運転手が
 
「バスが停車するまで席を立たないで下さい」
 
とアナウンスしたら逆に乗客から

「子供扱いするな!」
 と怒られてしまう気がする。 
 
どちらを選ぶかはその国によって違って良いのだと思うけど、比べると面白いよね・・・・