2010年7月3日土曜日

シャンプーという犬の話し④



  <写真は2008年、2009年頃に、どういうわけか、タンナ島にボランティア
  として、流されてきたボランティア達です、たぶん僕たちはあそこで一つの時代を
  作ったような気がします。いつもこの5人に優しくいたわられ、そしてこの5人
  を優しい目で眺めていたのがシャンプーでした。 そして写真のように後輩4人は
  良く僕の面倒を見てくれました。みんな写真かってにアップしてゴメンネ!この
  秋には右から2番目に居るヨリが日本に帰国して、僕がいたころの隊員は全員
  タンナ島を去ることになります、俺達良く頑張ったよね!>



その約一ヶ月後、なぜかシャンプーの体は一回り大きくなっていました。

バヌアツは夏真っ盛り、僕は毎日子供達と海に飛び込んであそんでいましたが、

シャンプーはうちの裏庭の手入れされていない木陰の雑草の中に、

埋もれるように毎日いました。

 食欲もなく、あまり動かず、

いつもより大きく息をしているシャンプーは夏バテではなくて、

妊娠しているのだと気がつきました。

 犬につわりがあるのかはわからないけど、お腹は一回り大きくなっても、

もともとが細い体のシャンプーにはとても苦しそうな毎日が続いていました。

 雄犬が守ってくれるわけでもなく、

自分の家よりも安全な僕の家の隅でひたすら苦しそうに横たわっているシャンプは、

すでに食事もあまりとらなくなっていました。

 最初は

「スパイダーのこどもかな?」

 と少し期待しましたが、時期的に見ておそらくそれは期待できないだろうな?

とおもいながらも、あまりにも苦しそうなその姿に、

メス犬の苦労とオス犬のいい加減さに腹をたてながら、

ただ僕はシャンプーの生命力に期待するだけで、

何も助けてあげられない自分にもどかしさを感じながらも、

協力隊の隊員としてのバヌアツでの活動で感じるもどかしさと

同じような気持ちをシャンプーにも感じていました。

 結局は人が人を助けることはできないし、

野生の掟に逆らうことは良い事ではないのかも?
 
 と思いながらも、目の前にいるシャンプーを何とかしてあげたい

気持ちもやはりありました。

 シャンプーは自分が不憫だとは感じていなかったと思うし、

そんな同情は彼女には必要無かったのだと今は感じています。

 可哀そうだとか、惨めだとか言って、中途半端に他人の人生を手助けして、

自己満足することは結局はさらに相手を傷つけることもある。
 
 とバヌアツに2年間居で感じました。

 自分の今まで過ごしてきた人生や文化、習慣にプライドを持てることは、

生活が便利になることよりも大切なことなのだと思います。

日本人の良いところ。


 
 <僕は5月チームですが、写真は3月チームです、デンマークの演劇のコンテストに参加して2週間ぶりに帰ってきた時の写真です。この中だけでも10カ国は居ます、3月チームには日本人はいません>


バヌアツで帰国する前に一人のおばさんに言われた

「浦はバヌアツに何も残せなかったって言ってるみたいだけど、

あなたが自分の洗濯物を

自分で洗って干している姿はとても感心したわよ、あなたにとっては普通の事

かもしれないけど、西洋文化の男の人がそういうことをしているのをみて私達は

うれしかったわ」

 と言われた事があった、そういえばバヌアツに居たころ何度か近所の親父達に

「ウラ、家の嫁が洗濯するからお前しなくて良いよ!」

 って言われた事ありました。僕は別に洗濯は嫌いでは無かったし、

 結構洗濯ものは持っていかれることがあると聞いていたので、その人がせっかく

干してくれてる時に誰かが持って行ってしまったら、責任感じるだろうし、

 やっぱり下着とかお願いするのなんか恥ずかしいし、でも下着だけ自分で洗うと

それもまた変だし、

結局バヌアツの時はパンツとシャツ以外はほとんど洗濯してなかったし、

(基本的に夏だし、サンダルだから靴下ははかないしね)

 ということでいつも断っていました。

 ちなみにバヌアツで女の子が男の子に
 
 「誰があなたの洗濯をしてるの?」

 って聞かれたらそれはきっと

 「彼女居るの?」

 っていう意味だったと記憶しています。 たぶんね・・・

 
 
 先日スウェーデン人のオーサに

 「やっぱりウラとかは日本で健康な食事に対する教育とか受けてるの?」

 って聞かれたけど、ただ母親に出された豆腐とか焼き魚とかお浸しとか

 味噌汁を普通に食べてただけだから、
 
 「そんなの習わないよ、スポーツしてたからサプリメントの事は勉強したけどね」

 ってったら、失望されました。 

なんか食にたいするポスター作って欲しかったみたい。

 和食の評価はヨーロッパでは相当高いです。


 ちなみにイギリス人の友達も、

 「政府が毎日5種類の野菜を食べろって言ってるから頑張って食べてるの」

 って言ってたけど、そんなの政府が言うことなの?

 って少し驚いたし、イギリス人は意外と政府のいうことを素直に聞きます。

 真面目です。

 
  自分の国の人達が意識してない習慣って

他の国の人から見たら評価されることあるんだな?

 って思いました。

 
  今週は天気が良かったので日焼けした僕の腕を見て、イギリス人が

 「良いな、きれいに日焼けして、私達は赤くなるだけだからきれいに焼けないのよね」

 って言われて、そんなこと意識してなかったし、一般的にアジア人は日焼けは嫌いだよ

 って言ったら、「それは知ってるけど、やっぱり日焼けした肌は素敵だと思う」

 って言ってました。

  
 僕からしたら外国の人って髪が薄くなったり白髪が増えてもなんか素敵な感じだけど、

そういうのっておそらく本人達はあまり意識していないような気もします。

 
 ちなみに今の学校には僕とケイタの二人が所属していますが、

二人とも結構頑張っています。

 先日にみんなが

 「ケイタとウラは良く働くしみんながしたがらない仕事でもして偉いね!」

 って話しだしました。そうでしょ!俺達は偉いでしょ!っておもっていたら

 その中の一人が

 「だって彼らは日本人だからだよ」

 って言ってました。

 決して悪い意味では無いです、でもちょっと心の中で

 「日本人だからっていうだけで片づけて欲しくないなー!」

 って思ったけど、やっぱりうれしかったです。

 
 ちなみにこの学校のプログラムの勧誘の話しの時に先生が言っていました。

 日本人は5人がコンタクトを取ってきたら1人は参加してくれる、

 韓国人は20人に一人、

 イタリアなら50人に一人、ポルトガル、フランスは100人くらい、

 ブラジルなら200人。

 だから世界基準は大体80人に一人くらいが来てくれます。だからみんな

できるだけ宣伝してください。
 
 って言ってました。しかも日本人は参加を決めたら絶対にやり遂げる、辞める人は

ほとんど居ない、それも断トツにトップ!

 って言ってました。 まあヨーロッパの人は家が近いから気に入らないとすぐ

 帰っちゃうよね。旅費も安いしビザ要らないしね。

 ちなみに日本からは飛行機だけで16時間、少しくらい学校が辛くても残るよね・・・

 
 もしこのプログラムに興味のある人はメールください

 urablog1974@gmail.com

です、決して僕はお勧めしてませんけど、僕みたいに変わり者の人がいたら

きっとこのプログラムは相当楽しめます。ヨーロッパの人とふれあえるし、

 結構きちんと仕事とか募金活動とかあるから、学校で学ぶよりも深く人間関係が

持てるからね、僕向きです。でも勉強したい人はきちんと留学することを勧めます。

 話しそれましたけど、日本人の評価は素晴らしく、僕達が意識してない事が

結構評価されてますよ!って言うことでした。

ちなみにこちらでもワールドカップの日本チームの評価は高く、

 PKは運だから残念だった、もっと日本の試合が見たかった!

 って言ってくれてます。イングランドも負けてしまったのイギリス人はみんな

「サッカーはもう忘れよう、私達は今はウィンブルドンがある!」

 って言ってました。 ちなみに先週までは誰もテニス見てなかった気がします・・・