2011年3月8日火曜日

南北問題


 僕の聞き取りが間違ってなければ、昨日生徒が僕に教えてくれた内容は

大統領かゲリラ側かは知らないけど、

「今のままの政治が続くのなら2年後にもう一度内戦を始める」

って発表したらしいです。

 「ウラはその頃もういないから大丈夫!」

 って何か自信ありげに言ってたけど、

2002年に終わった内戦から約10年、

現在二十歳の生徒達が10歳の頃からやっと国が良くなって、

10年間安定して教育を受けて、

これから先生になって国に恩返しできるという時になって、

また逆戻りなの?
 

 昔聞いたことがあります

 植民地から独立したアフリカの国は内戦が始まって彼らの中の誰かが

今度は自分達の国民を植民地化しようとする。

その政治が悪かったりすると、独立しなかったほうがましだった、

ということになる。

 血みどろの内戦が終わって、やっとのことで新政府が誕生した後の

第一段階は

「武装解除」

 みんなの武器を回収して、独裁政治、クーデター、軍隊が力を持ちすぎる

ことなどを避ける、3年から5年間



 第二段階は

「インフラ整備」

町づくりが始まる、内戦で壊された橋、水道、道路、病院、学校、地雷撤去

などを行って、効率よく生活できるように、町を整えていく。

 10年くらいかかる


 段三段階は

「教育」

 義務教育から初めて、長期的、計画的に物事を考えることができる人を

育てる、政治家でも教員でも今後の「国つくり」をきちんとできる人を育成

する、そしてその人達が社会に出て実際に活躍して国が良くなるまでにかか

る時間が

 20年から30年

 第三段階まで行けば、そこで初めて独立と自立が成功したことになるのか

も知れない、日本の戦後30年って第一次ベビーブーム、いまや団塊世代が

30歳のときだよね。日本人は良く頑張ったのだと思います。

 
アンゴラは内戦が終わって10年、中国の技術援助とともにこの10年で

インフラ整備が進んできています。女性や子供がやっと安心して暮らせるよ

うになってきたのに、

2年後に内戦はじめるのはあまり賢い選択ではないと思います。

 もう少し我慢して欲しいと思います。

 そして、もう一つの疑問は

ダイアモンドや石油をたくさん持っているアンゴラが今後順調に国力を伸ば

していったら、困る人達や国もあるのだと思います。

 内戦が始まってアンゴラからの石油の輸出が不安定になれば、

値段があがること間違いないしね。

 そしてアンゴラが石油とダイアモンドを売ったお金で順調に

成長していって、もともと賢くて真面目なこの人達が教育を受けて強くなる

ことを恐れている人や国もあるのだと思います。

 自分の国に資源がない先進国の国は、アンゴラのような国には常に不安定

であってもらうころが大切なのだと思います。

 だから国つくりがある程度成功してくると、

反政府側に都合の良い話を提案して

お金や武器を援助して、内戦を起こさすのかもしれません。

そうすれば第三国が介入できるビジネスチャンスがまた増えるわけだしね。

ものすごく奥が深くて、アフリカがいつまでも成長しなくて世界で問題視さ

れている一番の理由はここにあるのだと思います。

 こういうのを南北問題っていうのかな?

 それを操っているのは資本主義、物質主義でお金持ってないと勝ち組にな

れない、正義を叫ぶ貧乏な人は説得力が無く、

「いつまでも学ばない民衆」はお金をもっている強いひと人と国の言うことを聞

いてしまうのが現況なのだと思います。無意識のうちに自分もその民衆の一人

かもしれないけどね。



 日本の戦後の歴史は奇跡的だよね。

 アメリカ一国が日本の面倒を見てきたからからかな?

 それとも島国だし、資源とかないから利用価値がないと思われたのか、

日本がまさかこれほど「物づくり」上手だとはどこの国も気がつかなくって、

気がついたら自分達が買う側になっていてお金払わされていたのかもね。

 日本は国としては戦前からすでに成熟した国だったこともあるのかな?

 建国200年のアメリカには理解できないし、コントロールできない

部分もあったのだと思います。


 日本人は、日本のそういった世界の中でもユニークな歴史をたどってきたこ

とを意識しながら、よその国とかかわっていけたらと思います。

 


 そしてそうやってアンゴラの利用している一部の人達に、

「アンゴラを利用するのは良くない」

 と言ったとすると、

 「何が悪いの、自国の利益考えるの当たり前じゃない、俺達は頭が良い
 
  だけだよ、国際社会ではそれが当たり前じゃない?

  アンゴラ人には内戦を断る選択肢もあるんだしね、俺達は選択肢を

  増やしてあげているだけ、選択しているのは彼だから俺達悪くないよ」

 ってあっさり言われるのだとおもいます。

 ヨーロッパを中心とする「西洋文化」ではすでに何千年も前からそうやって

 お互いに駆け引きしあって歴史を作ってきたわけだから、それは汚いことでは

無くって、当たり前なんだと思います。そういった国から見たらアンゴラ

みたいに、「幼い」国を外からコントロールすることは

 簡単なことなのかもしれません。 アフリカの本当の問題はここにあるの

かもね。

 

 自分の国の国民に選ばれた政治家達がよその国の利益になることより

自分の国の国民の利益を考えることは当たり前だものね。

 
 今一緒にいる生徒達が2年後に兵隊ではなくて教員になって欲しいと

 僕は思います。

 せっかく10年かけて育ててきた長期的に物事を考える事ができる

 人達なんだからね。

 大事なことはそこまでわかっていも現場レベルで毎日コツコツ

頑張ることだとも思います。それができないと「自分の為」に良くない

気がします。文句ばかり言っていても誰も僕の為の都合の良い人生を

 作ってくれるわけではないしね。

 今日も一日健康で頑張れればとりあえず2年後も良くなると信じようと

思います。