2012年4月11日水曜日

サウナ大学

先月に協力隊の後輩が無事に結婚、茨城県の筑波で挙式、

 無事に二次会まで終わって、久しぶりの仲間、大ちゃん、けんちゃん

 ヒロと俺で3次回までご機嫌よく行ったんだけど、

 時間はそろそろ11時半、都内だったらもう一軒だけど、

 ここは茨城県のつくば市という少しアウェーな土地、油断は禁物、新宿までは

 戻りたい!とおもってヒロと二人でつくばエキスプレスまで戻りました。

 

  つくば駅には11時40分に到着、でも駅員さんに

 「すいません東京方面は11時15分でおしまいです・・・」

 ってとても丁寧だけど若干なれた口調で断られてしまいました。

 
  結構いるんだね、俺達みたいな人達が・・・・

 と納得しながらも俺とヒロはいままで数回終電のがしてるから

 別にどこでも寝れるから良いか! っておもってまたみんなに合流。

 とりあえず大ちゃん、けんちゃんの泊まる予定のホテルに電話してみました。

  でもあっさり断られてしまって。

 どこでも寝れるとは言っても結婚式用のスーツで3月のツクバ、

 午前中にはみぞれもまってたので屋根と毛布は必要

 ってことで閉店準備の居酒屋店員さんに聞きました。

 「この先に真っ直ぐ行くとサウナがあって泊まれますよ」

 と意外と前向きな答えが。

 さっそく電話して泊まれるか尋ねると

 「お待ちしてます」

 との返事が、やった! 大ちゃん、けんちゃんのところが断られても

 俺達にはサウナがある。とりあえず行って荷物を預けて寝場所さえ確保すれば

 何の迷いもなく4軒目に突入できる!

 よろこんでサウナに向かいました。

 そこの名前は 「サウナ大学」

 しかも建物の屋上にある看板はすでに消されていて、本当に入学できるのか?

 ここもまた断られるのでは? 偏差値いくらかな?

  やっぱり大学だから入学試験があるのかな?

 面接だけかな? というふざけた不安を感じました。

今思えば俺達はそうとう酔ってたんだな

 「とりあえず荷物が置けて温かければ今日のところはなんでも良いので
  いざとなったらお金を積んで裏口入学でもなんでも良いです・・・」

 「でもいったん入学したら最終学歴はサウナ大学だぞ、今後の転職に

  なにか影響が・・・}

 「ウラさん、まだ入学できるかどうかもわからないのに、卒業後の事は
  後で考えましょう、とりあえず寒いです」

  ということになり、とりあえず開けた扉は薄暗く、しかもいきなり急こうばいで

  2回に続く階段が・・・  

 「なんでいきなり階段なんだ?」 

 「きっと入学試験に体力テストも含まれているのでしょう」

  と千鳥足で階段を上りました。

 「火曜、金曜は男性デーってなってますけど、もともと共学ではないですよね・・・」

  「絶対に女性は入学してこないだろう」

  2階に上がって恐る恐るフロントで入学について相談すると、深夜にしてはとても

   親切そうな受付の方が
 
 「もしのまだ飲まれるようでしたら、深夜1時以降にいていただくと、入場料の1300円

 だけで済みますよ、でも今からだと(12時過ぎくらい)

入浴料800円もかかりますので少しお金がかさみます、どうされますか?

  という親切な入学案内に僕とヒロは感動、

 「1時に戻ってきたら定員いっぱいで不合格にはならないですか?」

 ときくと
 
 「最近は不景気で受験者が少なくて週末でも定員割れしてますから大丈夫です」

 とは言わなかったけど、とりあえずうちの学校で学ぶ気持ちのある方には

 門はいつでも開けております。という感じの姿勢だったので
 
  そのまま俺達は入学せずに結婚式の引き出物
 
 その他もろもろの手荷物をもって4件目に突入!

 そこでのトークはもっぱら俺達の志望校のサウナ大学について

 「そう言えばラーメン大学というのもあったな!もしかするとつくば市には

 大学という名前を付けると非営利団体とか特殊法人に認定されて
 
 税金が優遇されるシステムがあるのではないか?」
 
 
 「でもなぜサウナ大学なんだろう? サウナ高校、サウナ中学ではだめだったのか?

  最近はグローバル化が進んでるからサウナ留学でもいけるな

 しかしもしあれがもしサウナ幼稚園やサウナ保育園ということになると

  少しだけ店の趣旨が違ってきて100%男性専用になって

 看板などもピンクなどになったりしてお兄さん、軽く寄って行きませんか?

  みたいな呼び込みも必要で、金額設定も10倍にはなるのだろうな・・・・

 
  という話題になり、
 
  「入学すると何が学べるのだろう?やはりサウナ学部のスチームサウナ学科
  
  マッサージ学部のアカスリ学科、

  理系だと入浴学部は水質管理学科など色々とあるのかな?」

  と勝手に盛り上がっていました。

 2時には無事に4件目も終了! みんなで歩いて大学に向かいました。

  入り口でお兄さんに、お風呂に水の出が悪いですけど我慢してくださいね。
  
   
  といわれたけど、もともと入浴料は払ってないし、そんなこと気にしませんよ。

 っていいながら薄暗い共有の仮眠スペースみたいなところに行きました。

  でっかいリクライニングシートみたいなのが50席くらいあって、

 そこに芋虫のようにタオルケットにくるまった人達が20名くらい寝ていました。
 
 「意外と空いてるな」

 「とりあえず寒いし頭洗いたいからお風呂に入る」

 と言ってお風呂に向かいました。

 入ると浴槽に3人くらい、洗い場にも3人くらいいたんだけど、

 みんながいっせいに僕をみました。

 「何この雰囲気?」

 って思ったけど、すぐにわかりました。

  洗い場の蛇口の水がほとんどと言って出ないのです。

  洗面器に一杯ためるのに、一分くらいかかります。

  おまけにシャワーとなると、シャワーのホースを登るほどの水圧が

  無いようで、シャワーの口から水がホースにチョロチョロつたるだけ

  でした、

 「みんなこの状態をしているから酔っぱらっている俺が入ってきたので

  こいも寒い中気の毒だな、って思って見てたんだ」


  でも浴槽には温かいお湯がタップリだったので、すかさず洗面器を手にとって

  ざぶざぶお湯をかぶって浴槽に入りました。さすがに浴槽の水はそれほど

  きれいでは無かったので頭からはかぶれなかったけどね。
 
  ふと隣のおじさんの方をみると、こういうサウナには入場制限がある

  怖い模様が小さくだけど肩に入ってました。

  「サウナ大学ともなるとこれも良いのかな?」

 などと思いながら、黙ってはいってました。

  体も温まったし、俺も芋虫のように寝よう。

 って思ってそこから熟睡。 夜中に寒さと喉がカラカラなのに気がついて

 タオルケットを取ってきてかぶりました。

  次の日は朝から研修があったので、6時に起きてもう一度浴槽へ。
  
 朝になっても水の勢いは一向に変わらず寂しかったけど、洗面器に水をためて

 なんとか顔だけはきれいな水で洗いました。

  ヒロに

 「一緒に帰るか?」

  と聞いたら

 「もう少し寝ていきます、風呂も入ってないし」

 ってことだったので荷物をまとめて一人で入り口に、
 
  そこですれ違ったおじさんの肩から腕にかけて昨日のよりもさらに本格的

  でまさにその筋の方だとわかる立派な模様がありました。

 「ここはそういうの気にしないのかな?」

  って思って、帰りにフロントでそういうお断り書きみたいな看板は無いのかな?

  って思って探したら

 「当サウナでは

   ・刺青の方
   
   ・タツゥーの方

   ・泥酔いの方の入館をお断りします。」

  って書いてありました。

   ということはもし受付の人がこの断り書きを守っていたら

   昨晩の俺達は泥酔いだったから確実に入館拒否で

 この寒さのなか外で凍えて寝なければならなかったのだな、

 刺青やタツゥーの人だって外で寝るのは寒いはずだ、

  やっぱりみんなきちんと入学できてこそ、世の中の平和は保たれるのだ

 と変に納得しながら急な階段を下って外にでました。

  後日ヒロに聞いたらヒロが朝に喫煙所にいったとにも明らかにそういう

 雰囲気をかもしだしている方がおられたので思わず
 
 「おはようございます」

  ってあいさつしてしまったと言っていました。
  
  
  外は朝の7時というのに空気がとても澄んでいてすがすがしい朝日が!
 
  きちんとしたスーツで右手には昨日にもらった真っ赤な紙袋の引き出物!

  それはまさしく卒業式のような晴々した朝でした

 「サウナ大学、無事に卒業!大変お世話になりました!」

 と少し二日酔いの頭を抱えながらも気持ち良く岐路に着きました。

  つくばはめったに行かないけど、なかなかよいところでした!