2010年10月22日金曜日

ガス欠


その日も朝からドライブしていました。

約250キロの旅ですが、朝にもらったガソリン代の5000円では足りそうもありません。

 選択肢は二つ、すべてのコンテナを回らずにガソリンの範囲ないで回るか、

自腹でガソリンを入れて、領収証であとから清算するか?

 そんなことを夕方の4時くらいから考えてきて、気がついたらすでに6時、

ついにガソリン切れのランプが赤く点灯しました。

 外は真っ暗、でもなんとか最後のコンテナの古着も回収、

なんとなく気持ちも楽になって、ナビを

「家に帰る!」

に選択して、あとはひたすらドライブするだけ、

でもこのまま高速に乗ってしまったらガス欠で止まる可能性もあるな、

なんとか高速に乗る前にガソリンを入れたい。

 って思っていたら、田舎だからなんと6時でガソリンスタンドが閉まっていました。

 やばい、もっと早めに決断して自腹でガソリン入れておくべきだった。

 って後悔しながら、暗い車内で赤く光る

エンプティー(空っぽ)ランプがやたらと気になります。

 高速までにガソリンスタンド無かったらやばいな・・・

 って冷や汗かきながら信号待ち。、田舎町で一車線なのに、

近くにある大型スーパーとイギリスでは意外と許されている

路上駐車のせいで道は少しだけ渋滞していました。

 こんなところでガス欠したらブーイングだろうな・・・

 って思いながら、疲れた頭と体で信号をまってました。

 青になったのに前の車が出発しないのは変だな?って思いながら

 イギリスはクラクション鳴らさないのが普通だし。

別にこっちも仕事が終わって帰るだけだから別に急いでないし、

ただ後続の車に悪いな、って思いながら、まっていました。

 もう一度信号が青になって、今度は明らかに出発してもらわないと困る感じ。

 でも前に止まっている軽自動車はなかなか出発しません。

 右折車に道譲ってるのかな?それとも友達を歩道に見つけて話してるのかな? 

って思ったら中から50歳くらいの女性が降りてきて

 「ガソリンが切れてしまったみたいで、押していただけませんか?」

 そんなこと人生で頼まれたこと無かったし、一瞬びっくりしたけど

 自分もガス欠寸前だったし、その気持ちよくわかるよ! ってことで

 なんかすごくエネルギーが沸いてきて。あわてて飛び降りて、軽自動車を押しました。

 なかなか動かないな?って思っていたら中学生くらいの男の子が
 
 全力疾走で走ってきて、隣で一緒に押してくれました。

 
 ふたりで10メートルくらい横の歩道に乗り上げるまで押して。

 そこでストップ。

  「ありがとう!」

 って言われてたから。
 
 「問題ないよ!」


 っていって自分の車に戻って後続の車にごめんね!

 って窓から挨拶して、出発しました。

  結局僕の車のガソリンは高速のひとつめのスタンドまでもったので、

 無事に帰ることができました。

  でもあの時に僕の力の入りようは普通では無かったと思います。

何か自分の車がガスケツして押すリハーサルしてるようなでも

半分はなぜかとても楽しい気分でした。こんなことあるんだなー

人助けして自分の気持ちも助けられることってあるよなー!

 って帰りの運転中に一人でニヤニヤといつまでもい笑ってしまいました。