2011年3月10日木曜日

若いときに学んだこと


 <写真は日曜日に寮でオズワルドの髪を切るザカリアス、
  一緒に生活しているとこういう私生活も見れて楽しい
  です。ザカリアスの落ち着いた表情と見事な出ベソが
  印象的です。日本では出ベソの人少なくなったけど
  アンゴラではいまでもみんな立派に出ベソです>

昔の話なのでドンドン大げさになっていますので、

実際はこの3分の1くらいしか頑張ってません。

 フットボール現役時代、週に三回はきちんとウエイトトレーニングを

して体を作る、それが勝つために自分がすべきことである。

 春に練習が始まってから、、練習と仕事の合間を縫って、

ジムに通ってウエイトをします。

 2ヶ月も過ぎると、慢性疲労がたまって、

朝に起きれなくなってきます。

友達からもらったアリナミンを寝る前に飲んだりして、

何とかおきるように頑張ります。

 朝の8時から18時までファミレスで立ち仕事して、
その後に何か少し食べて20時ごろにはジムに行きます、

ウォーミングアップで20分エアロバイクをこいで、ストレッチして、

ウエイトの器具に座りますが、疲れて踏ん張れません。
 
「とりあえず神経だけでも興奮すれば疲れた体はついてくるものだ」

とおもって、カフェインの強めのコーヒーを飲みます。

朝専用のカフェインの多いコーヒーをトレーニング前に

よく飲んでいました。

 ジワット汗が出てきて、ウエイトトレーニングがはかどります。

そんなふうにして自分をだましてトレーニングを続けていると、

体の抵抗力が弱っているし、胃袋にも良くないので、

風気を引いたり腹を壊したりしやすくなります。
 
「風邪なのかな?それとも慢性疲労なのかな?」

でも

「やらない理由は自分が決める」

「妥協の数だけ自分が弱くなる」

 と思って、無理にウエイトしますが、体に力が入りません。

 今日はプールとジャグジーで休養しよう。

 と思って、プールに入って休みますが、

 案の定その日の夜には熱が出ます。
  
 でも次の日は仕事、朝おきて7度5分以下なら大丈夫。

ファミレスで朝一番に社員が出社できないことはありえないので、

行きにコンビニでユンケル飲んで頑張ります。

 8時から1時まで働いて、少し落ち着いたら

メニューにある雑炊を食べて30分ほど車で寝ます。
 
腰とか太腿の筋肉が痛いけど、とりあえず水をたくさん飲んで、

午後も頑張って、働いてクタクタで帰宅。

 二週間ほどジムは休むことにしますが、

その間でも仕事と週に三回の練習は休めません。

常にだるい体とウエイトをしてないことの罪悪感。

毎日生活に追われている感じ。

フットボールの練習ですら休みたくなります。

 そんな状態がシーズン中に一ヶ月くらい続くと、

この状態が一生続くような気がして。

人生がとても辛いことのように感じてきます。

練習中も良いプレーができなくて、自分に腹がたちます。

 不注意からくる練習中の小さな怪我も多くなります。

 食欲がないからいっぱいだけと思って飲んだビールが

いつの間にか焼酎に変わって、ついついのみずぎて、

二日酔いで朝ごはんが食べれなくて、朝はコーヒーだけ、

10時ごろに蕎麦をやっと食べる。

というような典型的な駄目な食生活になって行きます。

 シーズン後半には膝と腰痛の痛み止めの副作用でさらに胃袋が弱って、

体重も減ります。

「ウエイトしなさい」

ってコーチに言われるだけで腹が立ち。

前向きでない自分に気がつきます。

 気がついたらあまり人と話さなくなって、

必要最低限のこと以外には何もしなくなってるんだよね。
 
部屋の中は腰が痛いので、床においたものをとるのが面倒になり。

汚れ放題になります。仕事と練習に遅刻しないで行くことがやっとです。

(大分大げさなので実際はこれの3分の1くらいの辛さだったことをここで改めて書いておきますね)

 でもここまでやけくそになるから試合中でも怪我なんて怖がらず、

良いプレーができるし、

ここまでやったんだからどんなことをしてでも勝つ。

という気持ちになれるのだと思います。

 チームやコーチも最終的に勝つのはメンタルだ。

とわかっているので選手にプレッシャーを与えてきます。

こちらもコーチができることはすべてやってくれている。

選手のすべきことは自分を追い込んで、

試合の土壇場でも妥協しなような自分をつくることだ。

と理解しているからできるんだよね。

 それくらいチームとコーチを信頼していました。

 チームとコーチが何もしていなくて、

勝てないのはお前達気持ちが弱いからだ!
 
って言ってるチームもあるかもしれないけど。

それは間違っているとお思います。

気持ちというのは勝つための一つの要素であって、それ以外に、

戦術、トレーニング、医療、栄養、休養、練習環境、道具

などの要素の中の一つでしかないと思います。

大切なのはバランスだよね。
 
そのビジョンを持っているコーチの下でプレーできたことは

僕にとってとても幸せなことでした。

 今なら体が疲れてきたら素直に休めます。

 あの頃休まずに自分を追い込めたのは

「若さ」だったのだと思います。
 
だからシーズンが長いことを考えずに、その日の自己満足と罪悪感で

トレーニングしていたのだとおもいます。 

そういう潔癖なところが僕にはあったのだと思います。
 
大人になるともう少し長期的に物事を考えることができるよね。

 でも若いときにそうやって自分の限界と弱さを学べたことはとても

良いことだったのだと思います。

 アンゴラで20歳くらいの生徒達と一緒にいると不意にあの頃の自分

を思い出して、生徒達に対して尊敬というか、応援したくなる気持ちが

湧き上がることがあります。

若さって「純粋さ」であって決して「不器用さ」ではないのだと思います。

 大きな気持ちで見守ってあげるべきものだとだと感じます。

 

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