2011年5月23日月曜日

ひとをまとめる技術のヒント


 <写真は学校で授業をしているデモステネスです。彼は右手が少し麻痺して
  いますが、言葉巧みに人をまとめる素晴らしいセンスを持っています>

  昔に親父に言われたことがありました。

「他人がお前の言うことを聞いてくれないのは、お前に魅力がないからで、

いくらお前が正しいことを言っていたとしても、

言ってる人間に魅力がなければその言葉は相手には伝わらない」

 自分自身も自身もあまり動かずに他人に指導ばかりしている人はあまり好きではないし、

 そのうちに指導と私欲が混同して自分が楽するようになると、

 自分は基本的にだらしない人間だから、ドンドン悪い指導者になっていきそうな気がする。

 という恐怖心から、常に生徒よりもたくさん動きたいし、

 ファミレスで働いていた時も常にみんなよりたくさん働くように心がけていました。

 でも最近になって思ってきたのは自分も年をとってきたし、

そろそろもっと上手に指導をしていけるようにならないと、この先続かないな。

という限界も感じてきたし、5人くらいの人の指導をするなら自分も

一緒に働いてそういう姿を見てもらうことにも効果があると思うけど、

もし自分が50人とか100人の人と一緒に働くのなら、

きちんと組織作りができる人間になっていかないと人は動いてくれないということも

感じだしました。

 松下幸之助の言葉に
 10人の部下なら怒れば働く
 100人だったらお願いすれば働く
 1000人だったら拝まないと働いてくれない

 というのがありました。

 拝むかどうかは別として指導者とはそういう気持ちでいないといけないのだと思います。

 うちの学校にジョドール、デモステネス、カシパートという生徒がいます。
 
彼らはいつも掃除や農作業、ビルの簡単な修理など、

生徒達が学校で生活しながら学んでいく仕事のオーガナイズをしています。

なぜこの3人かというと、3人とも交通事故や病気で、体が少し弱いからです。

ジョドールに関しては完全に片足を失っています。

 だから他の生徒が働いているとき、彼らは指導者役になります。
 
時間の管理、作業と人の割り当て、進み具合のチェックなど、事前に計画して、

オーガナイズします。しかし一番の仕事は働かない生徒に対する指導です。
 
仕事が少なすぎると働かない生徒が出てきますし、

多すぎても目標が定まらずにさぼりだします。

単に働きたくない生徒もたくさんいます。そういう生徒達を上手くまとめて、

時には怒って、時にはなだめて、時には一緒に休みながらも上手く指導していく

彼らの姿を見ながら、この技術は盗めると感じるようになりました。

 彼らはとてもおおらかで、人をよく観察していますし。

 先頭にたって働くことはないですが、苦労している分人格も育っている気がします。

だから周りも文句を言わずに働くのだと思います。  
 
 アンゴラは障害者に対する過剰な感情はありません。彼らは自分達で自分のやり方を

 見つけて、たくましく生き抜いていきます。

自分も年を取っていくにつれてそういう指導法を学んでいきたいなと感じています。


 HIVの患者さんの意見で、自分がHIVだということで避ける人はたくさんいるし、

 どうふるまってよいのかわからない人もたくさんいる。それは普通だとおもう。

一番困るのは傷つけたくなくて、過剰にハグしたり、近づいてくる人たちで、

 こちらも疲れてします。

 普通にしてくれるのが一番よい。という意見を聞いたことがあります。

 そういう感覚で言うとアンゴラの社会はバランスのよい社会だと思います。

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