2010年3月2日火曜日

やっぱり僕は日本人


先日幼稚園のサマンタ(本当はサマンサだとおもいます)が
 
 僕が大きな荷物を持っていたときに 「ウラどこに行くの?」

 って聞いてきたので
 
 「日本に帰るんだよ!」 って嘘ついてみました。
 
 サマンタは不思議そうな顔をして
 
 「フロム?」  「何で」
 
 って行ったので、
  
 「コントラクト ブロング ミー イ フィニス!」
 
 「契約が終わったからだよ」 

 って冗談で言ってみました。サマンタはコントラクトの意味がわ

からないのでもう一度
 
 「フロム?」
 
 って言いながら駆け寄ってきました。回りに居た小学生の
 
 エタ、ロドニー、ナッシー もなんか真剣な顔で僕ら二人の会

 話を見つめています。
 
 エッ!なんか俺の冗談通じてないの?って思って
 
 「ミ ミ ギヤマン ノモ !」
  
 「嘘ついただけだよ」
 
 って言ったらまたサマンタが
 
 「ユー ゴー ロング ジャパン フロム?」
 
 って言って泣きそうになりました。
 
 みんなが僕らの会話を見守っていました。
 
 結局サマンタには方膝をついて
 
 嘘ついただけでずっと居るから大丈夫。
 
 って言ったら少しご機嫌直りました。
 
 でもその時の回りの子の表情を見ても思ったけど、あんまり
 
 帰国のこと言うの止めとこうって思いました。
 
  最近、新隊員が来た事もあっていつ帰国かよく聞かれま

 す。実際に僕が任地を去るのはあと半年も先です。

  バヌアツはとっても楽しいし、毎日幸せだし、みんな嫁を
 
もらってこっちに住めばよいと言ってくれます。
 
 僕も日本が好きな訳ではないけど、でもやっぱり外国に永

住することは考えた事は無いです。 
 
 イロイロなことを学んだり、日本を客観的に見る経験として 

は良いけど、それはいつか日本に戻るという前提での感覚
 
 でもし永住するとなると、やっぱり違います。
 
 なんで違うのかと考えるとやはり僕の中に日本で育ってきて
 
 身に着けてきた感覚とか価値観とかあるからだと思います。

 ・陰ながら努力して何かを達成したり
 
 ・頑張ってる人を応援したり
 
 ・石の上にも三年だったり
 
 ・ただ単に味噌汁の味をわかりあえたり
 
 
そういう感覚を良いと思う気持ちって日本での生活のなかで

 は意識してないけど僕の気持ちの奥にはあると思います。

  
 特にバヌアツ人の生活のなかでは何かを継続的に行って
  
 達成するという充実感を一緒に共有するという事は少ない
 
 です、農耕民族でないので協力しないでも生活していける
 
 とか、日本のように冬が来るわけではないので、それに向けて
 
 みんなで蓄えを作る必要が無いという理由があるとおもいます
 
 それが良いとか悪いとか言う事ではなくて、彼らの生活に必要
 
 がないから育たない感情なのだと思います。
 
  逆に彼らは毎日の生活を楽しむ事や仕事より家族を優先
 
 すること、お年寄りをいたわること、大家族で育つので、兄弟

同士の役割分担など戦後の日本の生活で少しずつ消えつつ

ある習慣が大切に残っています。
 
 第二次ベビーブームの真ん中で育ってきた僕は核家族世代
 
 なので、バヌアツの家族を見て日本が忘れたそういった感覚
 
 を思い出さされること良くあります。

 
 話は戻って
 
  同じ感覚を共有できたり、自分が一生懸命やった仕事を

 同じ価値観を持った人に認めてもらいたい、それが無いと
 
 頑張れない訳ではないけど何処となく寂しいよね
 
 結果だけではない評価がそこにはあると思います。
 
 だから僕は日本に戻るのだと思います。
 
 生活していくだけならバヌアツのほうが絶対に楽だし楽しい
 
ものね。
 
 楽だし楽しいからバヌアツにいようと思わないのも日本人ぽい考え方なのかもしれないですね。
 
 写真はサマンタです、デジカメで写真を撮って見せてあげると

 「ミー!」 って言わずに 「サマンタ!」
 
 って自分の名前を叫ぶ無邪気で可愛い2歳半です。
 
 

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