2012年1月17日火曜日

格差について (ジャングルの王者と資本主義の王者)


 
 <写真はエリックとその部族の写真です>


 アンゴラに居た時、一緒にボランティアに行っていた、ケイタ、エリック、ミンジー

の三人は、現地で一緒に働いている人達の家族の住んでいる昔からの伝統を守って

 生きている人達の村にウルルン体験に行った。

 僕はそのころ体調が悪くて、いかなかったのだけど・・・

  基本的にはボランティア活動の期間中だからローカルな地域でのリサーチ

というか意識調査を行うというような名目で行ったのだと思う。

 10日ほどして帰ってきたエリックが言ったのは、

 「彼らはの現金収入はおもに炭をつくることで、何日も歩いて、

ジャングルから木を取ってきて、それを炭にして町に出荷する、

たくさん炭が集まればみんなで共同でトラックを借りて町まで運ぶが、

それほどの量が集まらない場合は町まで三日間歩いて持ってくる」

 そう言えばたまにそういう人みたことあります。マーケットでも炭を売っている

 人は結構居るしね。炭の値段って2キロで100円くらいだから三日かけて

頭に50キロの炭を乗って歩いてきても、儲けは2千5百円です。

 そんなんで良いのかなー?

 なんて僕も思ったんだけでど、エリックも思ったらしくて、

 もっと計画的に炭を集めて町に出荷すれば効率よくお金が儲かるよ。

 と提案してもそれはしたくないのだそうです。そしてエリックいわく

 「彼らはとても幸せそうで、プライドを持っていて、家族を大切にしていて

世の中の仕組みというか、自然の摂理というか、人間としての領分が

良くわかっている感じだ」

と言っていました。

 ちなみにこのエリックはメキシコ人ですが、メチャクチャ良い人だし、

年も僕と近かったので大親友ですが、お金に関してはとてもシビアだという

イメージがあります。

 メキシコは北アメリカだけど、同じボランティアとしに行った南アメリカの

人達もお金にはとてもシビアです。日本みたいにお金は神聖なもの。

という気持ちはなく、もらえるものはもらう。

お金とは現実の象徴のような感覚でした。

 
だからこそ彼はアンゴラのまだお金文化を知らない人達の純粋さに感動し、

僕以上に価値観を揺さぶられたのだと思います。

  
そして結果としては一番つらい立場の人たちは自分たちの生活を捨てて

 効率よくお金儲けをしようとして資本主義社会に入ってしまって

  人達かもしれない。 ということになりました。

  結局はトラックを手配して、マーケットの場所代、ガソリン代、

みんなで共同して運営するのでそれぞれの日給と

それを計算する人を誰かに頼って運営してもらった場合、

その社長なりリーダーのような人に使われることになり、

自分達の生活はいつまでも苦しいだけになる、

時間は奪われお金という価値観の中では底辺になり、

常に搾取されでもその生活からは逃れられない。

 
だったら現状に満足している今のままで良い。

 という結果になっているのだと思います。

 
ボランティア、NGO,NPOと色々活動がありますが、現地の人の為にと思って

 効率を追求した結果、資本主義社会、物質社会、

人より多くを持っている人が勝者なのだという世界の底辺に、

ジャングルの王者、自然社会の勝利者達を誘い込んでしまうことも

 あるのだということを注意することも大切だと思います。

 
資本主義社会に失望してボランティア活動を始めて人間が、

 一生懸命頑張った結果が

 自分と同じ資本主義の失望者を作ってしまうことは矛盾があると感じます。

 
  アンゴラでもバヌアツでも問題になっているのは、田舎暮らししていた若者が

 夢を追って都会に出てきて、でも仕事もなく、都会の女性には相手にされず、

 自暴自棄になって犯罪に手を染める。日本も少しこういうところあるよね。
 

 一番の問題は格差に悩むことみたいです。

そういう人達にローカルな生活に戻るようなプロジェクトもありますが、
 
「あんなカッコ悪くて単調な生活には戻りたくない」

 という感じらしいです。でもだからといって今の生活にも満足していない。

 同じ町に住むお金持ちの生活を横目で見ながら、

  今の現状から抜け出せないでいる。

 お金持ちの人が謙虚に堅実に生活すればそういう不公平感はなくなると思います。

 ということは世界で一番安定している国民である日本人が

  自分の国の中の格差で悩まずに

 世界の為に謙虚に堅実に生活し続けることが大切なのかもしれないですね。

 誰ももう一度バブル経済期が来ることなんて望んでないことは確かだものね。

 ほどほどが良いと分かっているのが今の日本人だものね。

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