2009年5月28日木曜日

ネズミとの戦い


「絶対に外になにかいる!」


最近寝つきが悪いのに、やっと寝付いてすぐに起こされたのでムカつきながらも

懐中電灯もってキッチンにいってみたけど、おかしなことに外のセンサーライト

がついていない。
 
でも絶対何か気配がしたのにな?って思って外ばかり見てたらキッチンの中で

何かが走ったからビックリした。
 
ねずみがいた!慌てて蛍光灯つけたけど、こっちもどうしていいかわからない。

ねずみも慌ててこっちに向かって走ってきた。

「アウェー!!!!」

って変な声を上げてのけぞったら向こうもビックリして方向転換した。
 
慌ててハエ用の殺虫剤かけたけど、勝手口の隙間から逃げ出した、

でも勝手口は外の虫除けの網戸と二重になってるのでそのあいだに入ったみたいで、

ガラス戸越しにピョンピョンと飛び跳ねているのが見えたので隙間から

殺虫剤で再度攻撃した。
 おそらくでっかい殺虫剤の半分くらいを隙間から発射したら静かになったので

5分くらい次の作戦を考えながら心を落ち着かせた、心臓が凄い勢いでなっていた。

リビングからブッシュナイフを持ってきてドアをゆっくり開けようと思ったけど、

もしねずみが飛び出してきたら僕はこのブッシュナイフでどうするのかな? 

と思ったら必要ない気がしたけど、もしも飛び掛ってこられたら困るので一応右手

にもって左手でゆっくりとドアを開けてみた、

そしたら網戸の小さな穴からすでに外に逃げ出していて、ホッとしたけど

我に返ってみると、夜中に急に興奮したのと殺虫剤のにおいで目眩がした。

 とりあえず寝ないといけないとおもってベッドにもどったけど、

頭の中がねずみでいっぱいで眠れないし。もう一度キッチンに戻ってみた。

 キッチンの上とテーブルはねずみの糞が沢山落ちていた、気持ち悪いから床に

息で吹き落とした。乾いたらほうきで掃けばいいやとおもった。

でも桶に張っていた水とか、そのほか調味料とかねずみが匂いをかいだりしてた

のかと思うと、少し腹が立ってきた、そしたら極め付けに、今日250円で

買ったばかりの新品のスパゲティーの袋が食いちぎられていたので怒りが

収まらなくなって、益々眠れない、スパゲティーは食われているのと反対側から

ハサミで切って、綺麗な半分だけを移して残りは外に捨てに行った。

 バヌアツにしては高いなと思いためらいながら買ったスパゲティーなのに、

開封する前にねずみに食われるなんて本当に腹が立った。

その後一時間くらいしてからやっと寝付いたけど、次の日の朝寝不足でキッチンに

行って見たら、また新しい糞があったので、完全になめられていると思って

必ずしとめてやる。とおもった。
 
 次の日の夜にわなを作ろうと思って考えた、夜は水が出ないので鍋を洗うことは

出来ずその中の食べ残しを狙っていることはわかっていた。

 だから洗ってない鍋の中にゴキブリホイホイのえさを置いて、つっかえ棒を

つかって蓋を立てかけておけば、食べたときに棒に引っかかって蓋が閉まれば

大きな音が鳴るし、キッチンに走りこんで鍋と一緒に袋にぶち込んだあとに鍋を取

り出して袋を振り回して床に叩きつければ気絶して死ぬだろうし、鍋のまま火にか

けてやろうとおもった。残酷だけどそれくらい腹が立っていた。

 しかしなかなか良いつっかえ棒が見当たらない、お箸やスプーンは短すぎるし

バランスが悪い、でもお玉やしゃもじだと安定しすぎて引っかかっても蓋が閉まらない。

 そしたら名案が浮かんだ。

 昨日被害にあったスパゲティーはちょうど30センチくらいの長さでよい感じだ。

 夜中に懐中電灯を持って外に出て行って、ゴミの穴から夜露にぬれた

スパゲティーをもう一度拾ってキッチンに持ち帰りそれを10本ほど出して、

鍋の底に立てかけ、そのまま蓋のつっかえ棒にした。

 つっかえているスパゲティーの底ににゴキブリホイホイのえさを立てかけておけば

食べたときに確実に蓋は閉まるはずだ。自分って凄い!って自己満足してそのままねた。

 それから二日間その罠を仕掛けたが、ゴキブリホイホイのえさに反応しないのか

なかなか成果が上がらなかった。
 
 翌日にタンタンという足音がしたのでキッチンに攻め込むと案の定いた、

今度は流しの下に逃げ込んだので、落ち着いて入り口のドアを閉めて、

勝手口の下の隙間をシャベルでふさいでからブッシュナイフの先でゆっくりと

流しの扉を開けてみた。

そしたらすでにいなかった、どこかに逃げたのかと思ってそのほかも探して

みたけどすでにいない、よく見ると流しの下の水道管のパイプは丸いのに、

壁を四角く切ってパイプを通しているのでそのわずかな隙間から逃げているようだった。
 
 考えを整理すると、ねずみの入り口は勝手口の隙間と流しの隙間の二箇所だから

勝手口の下の隙間をスコップでふさげば逃げ場所は流しのしただけになる。

 だから次に突入したら一番に流しの下の穴をふさげば言葉のとおり

「袋のねずみ」

となる、でもキッチンの蛍光灯は点灯までに時間がかかるので、

それを待ってからふさいだのでは先に逃げられてしまう。

 左手に懐中電灯を持って右手に分厚いビニール袋を持って突入して一気に流しの

穴をふさぐことをイメージしてみた。
 
でもそしたら右手が使えないのでドアのノブを回すときに時間にロスが出るので

ビニールは最初から流しの下に置いておく。流しの扉を開ける時にもロスがでる

ので最初から扉は全開にして、殺虫剤の缶を立てて閉まらないようにしておいた。

そうすればもしブッシュナイフで届かないところに逃げ込まれたらとっさに

殺虫剤に作戦変更できる。前回の戦いで殺虫剤に効き目が少ないことは

わかっているが、相手にとって少しでも攻撃を加えることができればそれで良いのだ!

最後に流しの棚の右手にブッシュナイフを置いておけば、

右手で穴をふさいだ後にそのままブッシュナイフを握ってその後に蛍光灯を付ければ

後は一騎打ちとなるはずだ。
 
それぞれのパターンを一度シュミレーションしてみた。完璧である!

  次の日の夜タンタンという足跡が聞こえた。気持ちはすでに

「待ってました」である。

 昨日のイメージどうりに遂行したが、

流しの穴をふさぐ前にねずみが僕の足の前を走りぬけたので一瞬ひるんでしまって

穴をふさげなかった。

 反省としてはビーサンを履いていたのが一瞬の判断を狂わせたと気がついた。

もし靴を履いていればためらわずに蹴飛ばすことが出来たはずだ。

それから約1時間後、またタンタンという足音がする。

 今度はゆっくりと靴をかかとまできちんと履いた、その瞬間に心の中で

シャキーンという音が鳴った、ゆっくりとキッチンにちかずき左手に懐中電灯。

右手でドアのノブを開けて、一気に流しの下の穴まで走ってセットしてあった

ビニールを穴に詰め込んだ。その瞬間ねずみはビニールに突撃してすでに

そこがふさがっていることに驚いたあと、最後の一つの出口である、

僕が入ってきた入り口に走り出した。

しかしこちらはその行動は想定の範囲内(古いか)でねずみより先に扉を閉めた。

そしてドアのノブの隣にある蛍光灯のスイッチを入れた瞬間なぜか武者震いがして

「アオー」

と叫んだ。もう出口は無いはずだ!
 
アクション映画などの最後のシーンでそれまで長いこと武器を持って戦ってきた

二人のライバルが意味もなく武器を捨てて素手で殴りあうラストシーン

のような気持ちが心の中に沸き起こってきた!

 ゆっくりと流しの下にセットしてあったブッシュナイフを取り出し、

隅に逃げたねずみをやっつけた、そしたらそこに置いてあった使っていない

タイルがバリバリ割れただけでねずみはフロアーに逃げ出した。

そこで二発たたきつけた一発は当たったが致命傷ではなかったらしくもう

一発は床を直撃して火花が散った。

 三発目でやっとしとめた!

一週間の戦いが金曜日の夜に幕を閉じた瞬間だった。

 倒したねずみを見つめながら自分の高鳴る心臓の音を聞いていた、

ふっとわれに帰るとねずみの死体が急に恐ろしく感じられた。

 日本で素潜りの時にウツボと戦っていたら気がついたらウツボに突き刺した

モリの先が折れてウツボがモリの刺さったままこちらに向かってきたときには

相当驚いたが、今回はそれ以上に血が騒いだ。

 しかし離島で生きていく為にはこれくらいのことは出来なくては仕方ないのだ!

 先輩はラットポイズンで殺したら壁と壁の隙間で死んだので死体をとることが

出来ずに凄い異臭とハエで大変だったといっていたので、

やはりしとめるしかなかったと自分を慰めながら記念撮影のあと、

勝手口の隙間を塞いでいたスコップですくって、外のゴミ捨て穴に捨てに行った。

 これで今日からゆっくり眠れると思うとスッキリしたが逆に興奮しすぎて眠れない気がした。

 ということでそれが今週の出来事でした。
 

0 件のコメント: