2010年3月1日月曜日

聖地ホワイトサンズへ⑨


朝飯が終わって8時、学校にバイクを取りに行ってジョナサンとはそこでお別れ、また来週ね!って登校してくる子供たちとバイクですれ違いながら挨拶をしてポートレゾリューションに急ぎました。
 
 到着は8時22分、遅れてゴメン、って思ってたら先週はなんとなく浮かない顔だった校長のラッキンが何故か熱烈な歓迎をしてくれました。

  グランドの芝もきれいに切ってくれていて
 
「なんか良い感じじゃん!」

 ってことで授業開始!
 この学校は7、8年生もあるし生徒の数も結構居るので2学年づつ一緒にやって合計4コマやりました。
 
 来週の火曜日にまた来るね!っていったら
月曜日の夜から来れば良いよ!っ言ってもらって、来週も泊まるところ確保した!って思ったけど、良く考えたら今朝イクアラマヌにバイクを取りに行ったときに、来週は準備しておくから学校に泊まってね!
 
 って言われてたから来週はイクアラマヌで、再来週に泊めてもらうね!
 っていって戻って着ました。
 
 そこから一気に我が家のあるイサンゲルまで約2時間、先週大雨の中でこの道を通ったときには、ホワイトサンズの巡回は止めようかな?って考えていたのが嘘のように、とっても幸せな気持ちで戻ってきました。
 
 写真は帰りのものです。天気もよくって川の水も引いてとてもきれいな景色でした。
 これが先週と同じ川なのか?
 っておもうとともに、今の僕の気持ちをこの美しい川のい景色が表してくれているようで思わず記念撮影しました!
  
 そしてここまで書き忘れていたけど、ナカマルで出会って僕を泊めてくれた親父というのは、なんと先週この川を渡る時に僕に付きまとったというか助けてくれた黄緑のカラフルシャツ親父だった事がわかりました。
 どうりで見たことあるなー!って思うはずだよね。

 名前は「チーフ・ナカウ」 しかもホワイトサンズでは結構偉いチーフみたい。
 イサンゲルに戻ってきて、近所の子供に、
「ナカウっていうホワイトサンズのチーフしってるか?」
 ってきいたらみんな
「知ってるよ!」
 って答えました。
 
 黄緑カラフル親父結構やるやん!
 って思いながら来週また会えるのが楽しみになってきました。
 
 という事で僕の2学期はこんな感じで始まりました。
ホワイトサンズはマダマダ魅力がたくさんありそうなので、また書きますね。期待してください!
  
 

聖地ホワイトサンズへ⑧


ジョナサンが戻ってきたのは6時過ぎ、二人でいったん学校にもどってバイクを教室の中に入れて、親父の家に向かいました。
 肝心な親父はまだカバを飲んでは村の中を徘徊しているらしく、僕とジョナサンは親父の奥さんの作ってくれたタロイモとマニオクというホカホカの芋のスープにお客さんだからと慌てて乗っけてくれたと思われる冷たいツナの缶詰めののった食事をとって、7時には布団に入りました。
 
 ちなみにバヌアツの人は缶詰めが贅沢品だと思ってご飯や芋にかけたりして食べますが、僕はホカホカのお芋のスープだけの方が本当は好きです。缶詰めの油と塩分は少し苦手なのです。
 
 焚き火の脇に捨ててあった缶詰めの空き缶を見て
(気を使わしてしまって悪い事をしたな・・・・)
 と思いながらも、お皿のなかで温かいスープに冷たい缶詰めを溶かして食べながら、それにしても飛び込み外泊計画は思っていた以上に上手くいったなー
 
 っと少しニンマリしながら、初めてのホワイトサンズでの授業と宿泊先の確保の成功に肩の荷が下りた感じて幸せな気持とともに多少飲みすぎたカバの心地よい眠気に浸っていました・・・・
 
 
 夜の7時から寝て気が付いたら朝の7時、ポートレゾリューションまでは30分はかかるからそろそろ起きなくっちゃと思ったら、ジョナサンはもう居ませんでした。
 
 起きてトイレに行くと、ジョナサンはキッチンのなかで焚き火をしながらタロイモを煮ていました。
 
 横にはお母さんとその娘が座っていました。
 ちなみにジョナサンはこの家の息子でもなんでもないけど、村ってそういうものみたい、何処に泊まっても何処で飯を食ってもよいみたい。
 
 でもジョナサン自身が他人の家のキッチンで料理をしていて、その家のお母さんと娘がその姿を見ているのってなんか変な感じもしました。
 
 ジョナサンって本当にやさしい奴なんだなーっておもいながら僕もタケでできたそのキッチンの中に座って芋が煮えるのを待っていました。
 
すると親父が起きてきて、昨日はどうだったかと僕に問いかけておきながら僕の話をまったく聞かずに一方的に自分のことをイロイロと話した後で、自分たちはお金は無くても食べ物がたくさんあるし、幸せなんだ、お前はもう家族だからいつでも来てくれてよいぞ!
 
 と3回くらい同じ話をされました。
 
 その後親父が居なくなった後で、お母さんにも同じ内容のことを2回ほど繰り返されて、僕はひたすら
 「ウン、ウン」
 と鼻をすすりながら、気が付かれないように、腕時計を見る為にトレーナーの裾を捲り上げてさりげなく時計を気にしていました。

 時間は7時15分
 ポートレゾリューションには8時には着きたい

 「ジョナサン早く朝ごはん!」

ってすこし焦っていました。
 
 

聖地ホワイトサンズへ⑦


汚い小屋と怪しい親父達で構成される独特なナカマルの雰囲気のなかで僕が考えていたのは
 
 今日は誰の家に泊めてもらおう?という事だけ、
もともと僕はあまりカバは好きではなく、付き合い程度で飲むくらいです。でもホワイトサンズのような電気の無いローカルなところでは、カバを飲んでご飯を食べたらさっさと眠るしかやることが無いので、いつもよりは積極的に飲みます。
 
 カバはお酒とは逆に心が穏やかになり、口数亜が減りそして眠たくなります。人間って眠たくなるときって無意識で、気が付いたら眠ってしまっているけど、カバはその眠るか眠らないかの状態を楽しむような感じです。
 
 自分の意識の中でそれがコントロールできます。

 カバにどっぷり漬かろうと思えば、黙って薄暗い中で待っていればさらに深いドロンとした気持ちになれるし、今日はこのくらいでいいやと思えば、自分で自分を覚醒させる事もできます。
 
 ナカマルでカバができあがるのは夕方の4時くらいでした。僕が到着したのは3時半ごろ、それまでの時間しばし回りの親父達と話しながら、どの親父が面白そうか探っていました。
 
 ちなみにカスタムの強いホワイトサンズでは女性はナカマルへは入れません。成人男性しか飲めないのです。しかも大きな声で話してもダメ、ただひたすらみんなで焚き火を眺めながら、カバを飲みヒソヒソと話し合います。
  
 
初めに僕が目をつけたのはカバを作っていたジョンソンという人、意外と真面目そうだし、顔つきも誠実、35歳位かな?
 
 子供はきっと僕の今日教えてきてイクアラマヌに通ってると思うし、ナカマルでカバを作ってるくらいだから地元ではそこそこの地位だと思って目をつけていました。

 その時ナカマルに居たのは5、6名の親父達、怪しい日本人の出現にこいつは敵か?見方か?という視線と好奇心で、僕に直接質問してこないで一緒に居るジョナサンを通して質問してきます。
 
 ちなみにジョナサンは21歳くらいでまだ未婚です、でもガールフレンドと子供が居るみたい。一緒に住んでるそうです。結婚しない理由は、結婚する女性は親父が決めるから自分では決めれない。
 
 という事らしいです。それ以上は難しい問題みたいだから聞かなかったけど、きっと今の状態が3年ほど続いたら親父も観念して今の人と結婚して良いよ・・・・
 って言ってくれるのではないかな?
と僕だけでなくジョナサン自身も考えてるような気がしました。

 カスタムは強いけどそれなりに抜け道もあるものなのです・・・・
 そういう事情もありジョナサンの家には僕は胸を張って泊まりにいけないのです。 

 そして時間は4時半になり、僕は2杯目のカバを飲んで結構良い感じにドロンとしていました。
 
 その時に僕にジョナサンの通訳無しに話しかけてきた親父が居ました。、多分50歳くらい、他の人よりも堂々とした感じで、話題も豊富です。
 そしてこの村のことや自分たちの歴史やカスタムなどをうれしそうに僕に説明してくれました。
 
 僕はカバで少しドロンとしていたし、話も面白かったので、ウンウンとうなずいて居ました。

 そしたらご機嫌になったその親父がところでお前は今日は何処に泊まるんだ?
 ときいてくれたので、マットレスが欲しいだけで何処ででも眠る準備はあるんだけどね、とドロンしながらも意味ありげな投げかけをしました。すると親父は喜んでジョナサンを呼び、
「こいつは今日は俺のうちに泊まらすから、いまからお前は俺の家に行って母ちゃんにお前と、こいつの二人ぶんの飯の準備とマットレスを用意しておけと伝えて来い!」
 
 っと言いました。ジョナサンは僕に、

 「そういうことになったから、僕はいったんこの親父の家に行き、そのまま一度自分の家に戻って事情を説明してからもう一度迎えに来るからね。」
 といって僕を置いてナカマルから出て行きました。

  時間は5時過ぎ、何とか日の沈む6時までに寝る場所が確保できて良かった、と思うとともに、なんかこの親父をどこかで見たことあるなー、なんて思いながら、寒くなってきたナカマルの焚き火をボーっと眺めていました。
 
 

聖地ホワイトサンズへ⑥


やってきましたイクアルマヌ、先生は三人という事だったんだけど、ジョナサンとエビリンの二人しか居ないとの事、
 いきなりやってきた僕に子供たちは少し緊張気味、僕も少しだけのノドの調子が悪いので、ここは一気に組み体操で子供の心を掴むより、無難にドッチボールから入ろうと思い、5,6年生を集めました。
 でもそしたら意外と少ない・・・
 という事で4,5,6年生をまとめてやる事にしました。
 これでも多分35名くらいでした。
 
 高学年さえ終わってしまえば、低学年は気楽なもんです。スキップだけでも大興奮してくれるからね。

  しかも1,2,3年生まとめてだから今日の授業はこれでおしまい。普段は3コマから4コマやってるので、2コマで終わるってとっても楽です。
 だから思い切って縄跳びと
ハンカチ落としのハードなやつ?
 (ハンカチは使わないで、子供にあらかじめ1番から5番までの番号を決めておき、僕が番号を言うとその番号の子供全員が立ち上がって追いかけっこをするというもの)
 
 の普段はメインでやる運動を二つこなして、とりあえず一週目としてはマズマズのでき!
 終わって時間は3時過ぎ!
 
 ってことで今日は何処に泊まろうかなー?
って考えていました。できればカスタムの強いホワイトサンズの中枢を担う村に泊まりたいなー!

 という野心もあるし、日の沈む6時までには泊まるところきめておかないと野宿だな・・・・
 
 とも思いながら、だからといって学校の教室で寝るのもねー
って思い、とりあえず親父達の集まる、ナカマルという
バヌアツの伝統的飲み物「カバ」を出すお店に行けば何とかなるだろう。
 という単純な考えでバイクを学校においてナカマルへと向かいました・・・・
 

聖地ホワイトサンズへ⑤


問題の川は相変わらずゴーゴーと流れていました。
親父とその仲間たちも雨が降ったので家に戻ったようで
した。
 でもその代わりに新車のマツダのピックアップトラックが川の途中で深みにはまって立ち往生、4人の男たちが一生懸命に押していたけど、すでにエンジンが止まっていてマフラーが水につかっていたから、多分もうだめかな?って心配していると、その中の一人がやってきて
 
 「もしお前が運良くこの川を渡る事ができたらレルマケルという村に行って応援を呼んできて欲しい!」

 といわれました。

 こうなったら人助けのためにも絶対にこの川を渡ってやる!
自分の為ならあんまり力がでないけど人の事にはなんか意味も無く使命感ができたので行きに川を渡り終えた時に自分で目印に突き刺した流木と、黄緑シャツの親父が川の対岸に突き立ててくれていた浅瀬を示す流木を目安にポイントをきっちり確認して来た時よりもアクセルを強目に吹かして一気に川を渡りました。 
 
 もうパンツまで濡れているので、洋服が濡れる心配などしなくてよいので一気に川を渡りきりました。
 
 そしてレルマケルに行って応援を呼んで、そのまま自分は帰路へと向かいました。
 
 途中で二回ほど休憩してイサンゲルに戻ったのは夕方の4時半、村人に顔色が悪いと言われて、そのままその日はなにもしないでゆっくりと寝ました。
 
 
 アレから一週間、その週他の巡回先の学校も相当道の荒れた学校だったので、半ばふてくされながら山を登っていきましたが、やっぱり普段ボランティアとは無縁な僻地に住んでいる子供であればあるほど、体育の授業を喜んでくれて、授業が終わって子供達が名残惜しげに僕のバイクを取り囲み、その後出発と同時にいつまでの後ろを追いかけてきてくれる姿をバックミラーで見ながら、
 
 「仕方ないから来週も頑張ってくるかな?」

  って思ってしまいます。

  学校によっては僕が来る為に学校まで上ってくる丘の道を生徒に補修させるから来て欲しい、といってくれるところまであって、さすがにその学校には、雨季が終わったら必ず着ますので、と断った事もありました。
 
 そして二学期二週目の月曜日、今日はもう一度あのホワイトサンズと川にリベンジだ!

  という事で朝から気合をしれてイロイロと準備をしました。
 
 予備のガソリンと川を渡った後でチェーンに塗るオイル、タイヤがずれてチェーンがたるんだ時に修理する工具、そして雨合羽と飲み水、寝袋、先週の月曜日から咳が止まらないので、そのためのイソジンも持ちました。もちろんジップロックに密封したトイレットペーパーもです。
 
 でもイソジンを薄める水までは持つ余裕がないので、困った時にはイソジンを原液のままノドぬーるスプレーのようにノドに数滴垂らします。結構効きます!っていうかスッゴク聞きます! 

 ちなみに先輩隊員にはイソジンしてたらバヌアツ人に吐血してると間違われて大騒ぎされた人居るらしいです。
  

聖地ホワイトサンズへ④


30分かけてイクワヌマヌに戻った時には雨はさらに増していて、とりあえずもう一度ジョナサンに頼んで雨宿りさしてもらいました。
 誰もいない教室でジョナサンに日本語の50音を教えたりしてるうちに、寒さとともにすっごく眠たくなってきて、椅子に座ったままウトウトしてしまいました。
 
 目覚めたらジョナサンは居なくて、外に出てみると子供が僕を呼んでいます。
 なにやらジョナサンがマットレスを持ってきてくれたみたい。

 小学校の床に無造作に置かれたマットレスと、シーツなのかかけ布団なのかわからないビミョーな薄さの布団に包まって
あっという間に眠りに落ちました。
 
 目覚めたら外はあいかわらず雨模様、真っ暗だったので、もしかしたもう夕方?っておもったらまだ2時だった、外に出てみたけど、まだ大雨、きっと川はさらに増水してるんだろうなー!
 って思ったけど、全身ずぶぬれのこの状態で一晩過ごすくらいなら、川を泳いででもわたって自分の家でゆっくり眠りたい!
 っていう寒さによる強烈なホームシックに襲われて、大雨の中を出発する事にしました。
 
 ここから気合を入れて帰れば2時間で着くはず!
最後の力を振り絞って家へと向かいます。
 
 

聖地ホワイトサンズへ③


しかし20分まっても雨はやみません、今回のホワイトサンズでの巡回指導で僕が考えていたのは、月曜日の午後にイクワラマヌで教えて、その後一度家まで戻ると、2時間近くかかるので、そのままどこかの村に泊まらしてもらって、次の日の午前中にポートレゾリューションで授業をして、その後に自分の村であるイサンゲルまで戻ってくると言う計画です。
 
 だからイクワラマヌにレターを出したからには絶対にポートレゾリューションにもレターを出さないと、来週の予定がくるってしまうとおもい。雨に濡れて体も冷えてきたし、いっそのことバイクでこのまま行ってしまえ!と思って、雨の中を出発しました。
 
 そこから約30分かけてポートレゾリューションに到着。思っていた通り、こちらも授業はやっていなくて、先生達もまだ学校には来ていなくて、住み込みで学校にいた校長先生に、
 
 「来週から宜しくね!」
 
 って自分ではやさしい雰囲気で言ったつもりだったんだけど、家を出発してかすでに3時間も過ぎていて、しかも雨の中震えてバイクを運転してきた僕の笑顔にはそんなに魅力は無かったみたいで、
 
 「とりあえず来週来てからゆっくり話し合いましょう」
 
 みたいな、まだ少しだけ他人行儀ないい方されてしまいました。
 でもとりあえずこれで今日の目標は達成!
と自分を奮い立たせながらも、今から来た道をしかもこの冷たい雨の中戻るの?しかも帰り川を渡れなかったら、もうすでにパンツも雨でビチョビチョだし、もし仮に泊まれるところがあったとしても、濡れた服のまま眠るの寒いなー!
 って思いながら引き返しました・・・・・・
 
 写真は後日撮ったポートレゾリューションです。
 岬の先端み見える岩は昔キャプテンクックがバヌアツを発見した時に上陸した記念の場所だそうです。
 
 現在のポートレゾリューションという名前は第二次大戦の時にレゾリューション号というアメリカの戦艦が来た時についた名前だそうです。
 
 今でも外国のヨットなどが止まっている綺麗な湾です。
 
 でも凄い僻地で入国審査とか絶対に無いから結構穴場かもしれません。