2010年2月23日火曜日

小さな援助


朝の10時からヨーヨー、ポワス、デイヴィッドの小1トリオがやってきて
 
 「ウラ、ドギー(小4)の自転車のホイールが壊れたから修理のパッチが欲しいんだって!」 
 
 っていわれたんだけど、最近子供達はパンクしてないのに、僕からパッチをカツアゲしてるという情報があったので、
 
 「壊れたんならチューブを見せにきたら上げるよ!ドギーにはこないだ二枚あげたもん!」
 
 って言いました。僕のビシュラマもぎこちないし、三人は小1だから村語は良くわかってもビシュラマ語はあまり得意じゃないけど、そのまま三人で戻っていきました。
 
 3分後
 
 「ドギーが自転車の何かが壊れたから欲しいと言ってる、たぶんオイール・・・・」
 
 って言ったから
 
 「ホイールなの?オイ-ルなの?」 
 
 オイルならCRCをドギーのチェーンに使ったことあったし。なんか最初といってることが違うから
 
 「ドギーに自転車が壊れたんならここまで持ってきて俺に見せないと何も貸さないと言っておいで」
 
 って言ったら三人とも肩で息をして汗をダラダラ流しながら戻っていきました。
 
 かわいそうだったからキッチンにいって冷たい水でレモネードつくって戻ってくるの待ってたらドギーも一緒にやってきて。
 
 「ウラ、俺が欲しいのはオイルじゃなくてホイールを直すパッチなんだよ、俺達はタイヤの中身のことをホイールって言ってるんだよ」 
  
 って言われて納得、ようはチューブのことをホイールって言ってるみたいでした。
 
 とりあえず落ち着けよ!ってことで四人にレモネードあげたら冷たいから大喜び!

 「でも俺こないだ二枚あげたでしょ!」 
 
 って言ったら、
 
 「あれは俺のに使ったんだ、でも今日はファンドリックのが壊れたんだよ」
 
 ってことでした。
 
 「だったらそれを持っておいで!」

 って言ったときには小1トリオはすでに走り出していました。冷たいレモネードを飲んだからには何か貢献しないといけないといけないう責任感があってみたいです。 
 小1トリオは本当によく働きます。今度は二分で戻ってきました。

 話をよく聞くとドギーは手先が器用で近所の子供のパンクを直して上げてるみたいです。
 
 学校がお休みになった小学生の一番の遊び道具はやっぱり自転車!タンナ島には自転車屋は無いからみんな首都で買って船で送ってくるんだけど、中国製のゴムって弱いし、毎日ジャングルの中を走り回ってれば中国製じゃなくてもすぐにパンクするよね。
  でも修理するにもパッチまでは離島に届いてないから、みんなバイクを持ってる僕のところに着ます。
 
 でも最初に仲のよい子供一人に上げると、それが広まってしまって最近は初対面の子供が
 
 「パッチ頂戴!」

 って言うようになります。ボールでもバンドエイドでも写真でもインチキ空手教えるのでも何でもそうなります。でも子供がそうなるのは自然なことで、それを上手くコントロールできなかった自分が悪いんだよね。最近言葉が上達したから難しいことも上手く説明できるようになりました。
 赴任当初は
 「あげない・・・」
 としか説明できなかったから、誤解されることもあったけど、最近はちゃんと
 「一人にあげるとみんながもらいに来て、ダンダンと僕一人では手に負えなくなるからあげれないんだよ。でも君は僕の仲の良い友達だから今日だけ特別にあげるね!でもみんなには秘密だよ!」
 って言ってあげれるようになりました。結局あげちゃってるけど・・・・
  
 まあ基本的には大人も一緒です。一つの学校に援助するとそのうわさって島にある60校に広まって、初対面の先生までが
 
 「ウチにはボールが無いから体育できない!」 
 
 となります。対応しきれなくなります。そこで必要なのは人としての「器」だろうね。たとえ援助できないってわかっていても話は真剣に聞いてあげることが大切
 「大変な状況はよく理解できました、僕にチャンスがあればぜひあなたの学校に援助しますし日本の事務所にも伝えますね」
 
 と誠実に対応すれば相手の人の気持ちは落ち着くと思うんだよね。ありがたいことにバヌアツ人はそうやって話を聞いてもらうとそのことは忘れるみたいで、たまに本当に援助できることになって伝えに行くと本人は忘れてたりすることもあるくらいだしね。
 
 今日は久々に朝から子供達に上手く対応でき自分も自分もちょっと成長したなー!て満足してました!

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