2010年2月23日火曜日

バヌアツ鎖国計画


バヌアツの人と教育がなぜ必要なのかを話すときに僕がよく言うのは、
「スローライフはとても良いけど、これから外国のビジネスマンがドンドンバヌアツにやってくるからそういった人達が来たときに自分達の生活を守る知識を持っていなければならないよ」
 と言います。
 
 実際に首都では海沿いの綺麗な場所はすでに外国のリゾートが買い占めていてバヌアツの人は土地を失ったりしています。チーフに話をしないで勝手に売ってしまった人も居るようで、後から問題になっていますが、「契約」というものがどういうものかわかっていないので、わずかトラック一台で大切な土地を売ってしまうこともあるようです。
 
 親しくなった外国人に自分もバヌアツ人になって家族を呼んでこの土地に住みたいから自分の車とこの土地を取り替えて欲しいといわれて、契約書にサインした後に、実際にはブルドーザが来てリゾートホテルみたいなのを建て始めて、慌てて買った本人を尋ねると、
 「実は家族がこれなくなってので、他の人に売ってしまったんだよ、君が土地を僕に売ってくれたのと同じことを僕もしただけだよ」
 といわれ、抗議するけど契約には勝てずに山の中に追いやられていく

 それはもう世界中で何百年も続いている歴史で何も知らないバヌアツ人が今後困ることになるのは目に見えています。
 
 世界がバヌアツだけでできていれば彼らは今の生活にプライドを持っていられるのに、よその国の人のお金儲けのために自分達の生活を変えていかなければならないのはかわいそうだけど、時の流れなので仕方がないのかも知れません。
 「だから今教育は必要で、日本みたいになる必要はまったく無いよ」
 っていうと
 「フーン」
 って感じです。
 
 「いっそのこと鎖国しなよ!」
 
 って教えてあげたいです。
 
 そう思うと今から何百年も前に自分達の生活を守るために鎖国した日本人は凄いし、国民みんなが守ったことって凄いなーって思います。
 
 ちなみに僕の住むタンナ島はプチ鎖国してます、政府が決めたのではなくチーフ達が集まって決めたみたいです。外国人の島での商売禁止令 
 です。
 だから首都に沢山ある中国人の経営する雑貨店はないし、レストランも中国人が居ないから味は落ちます。やはり中国の人が作った食事は 
 美味しいです。それでも白人の経営するリゾートバンガローは何件かあります。
 多くはやはり契約でだまされてしまったものと、教会を建てるといわれて譲ったらホテルだったということもあるみたいです。
 実際に経営してる人がみんな良い人だからおおらかなバヌアツ人は「今あるのは例外!」って認めてるみたいです。
 協力隊員の歴史は20年近くあるし、中国人は居ないので僕を見て
 「中国人?」
 という人は居ません。
 「ジャイカ!」
 って言われることは結構あります。それは国の名前じゃないからね!って訂正します。
 
 僕らの仕事もどちらかと言えば教育水準を上げることより、彼らの発展が良い方向に進んでいけるように見守ってあげることが大切な気がしま  
 す。できれば何時までも今のままで居て欲しいと思います。

 写真は教え子達!カメラを向けた瞬間に一気にテンションが上がってこの通りです。逆立ちがはやっていてみんな逆立ちで登校してきます!

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