2010年2月23日火曜日

ムカデ最初に一時間


新隊員のテツヤと二人で夕方からスノーケリング、場所はタンナのウエストコースト、時間は4時前、気温は高いし、今からサンセットを見ながらスノーケリングは最高だな!って思いながらシャツを脱いでサンダルを脱ごうとした瞬間、なにかが左足に刺さった感じ、何かな?って思って足を少しだけ動かしたら異常な痛さが全身を襲ったので思わず足を引いたら、特に何も無し、でも次の瞬間に長さ20センチ、幅1センチほどもある大きなムカデがリーフの中に歩いていくのが見えて、まさか?って思ったときにはもう遅かった。
 
 傷口を早く探そうと思って足を一生懸命見たけどすでに足の甲全体に熱湯をかけたみたいな痛みが走っていて何処を噛まれたのかがわからない、必死に探して岩に腰をかけたらすでにふくらはぎの筋肉が硬くなって痛み出していて、回るの早いな!って思ったら30秒後には股関節のリンパの下がすでに固くなって動けない。
 
 噛まれた瞬間にテツヤが
「毒を吸いましょうか?」
 って言ったくれたんだけど、足の薬指だし、サンダルでここまで来て指の間には砂が入ってるし
 「大丈夫だよ」
 って言ったけど、1分もしないうちに左足全体まで広がった毒のスピードに驚いて
 「やっぱりお願いします」
 といいました、今思えば僕が噛まれたって言った瞬間迷わずに毒吸いましょうか?って言ってくれたテツヤはなんか凄いと思う。
 
 とりあえず海水で足を洗ってテツヤが10回くらい足の指から血をすってくれて海に吐き出してくれました。
 その間も自分で一生懸命に毒が登らないようにふくらはぎから傷口に向かって血を押し出すようにさすりました。
 
 テツヤが病院に行ったほうが良いか近くにいたバヌアツ人に聞きに行ってくれて、バヌアツ人が3人くらい着てくれました。彼らは病院は土曜日もやってるけど海にはムカデは居るはず無いからきっとほかの何かに刺されたんだ。と言いい、とりあえずテツヤの家まで戻ろうと二人で歩き出したんだけど、途中でテツヤがあまり歩くのは良くないから僕が車を呼んできます。
 と言ってくれて先に道路に走っていってくれました。
 歩いていたら内腿の痛みが大きくなってきたので、これはまずいと思って慌てて持っていたタオルで太腿を縛りつけると少し歩くのが楽になったので少しペースをあげて歩いていたら前からテツヤと車が来ました
 「浦さんの荷物やお金は後で持っていくので、とりあえず先に病院に行っててください」
 といってくれたので、そのまま車の荷台に飛び乗りました。
 リゾートホテルの車だったので荷台の上に立派なシートがついている通称
 「優勝パレードトラック」
 だったのでその上で痛みをこらえながら状況がわからずに僕に手を振ってくれるバヌアツ人達にはにかんだ笑顔で答えながら丘を登って何とか病院までつきました。
 その頃にはすでに左足の甲は腫れて血管が見えなくなっていました。
 
 土曜日で受付も薬局も閉まっていたので、入院ベッドのある棟に歩いていったけど誰も僕が医者を探していることを気がつかないので、少し大げさに足を引きずって歩いて見ると、知り合いの学校の先生のケンジー(バヌアツ人)が僕を見つけてくれてどうしたんだ? って聞いてくれたので、
 ムカデに噛まれた!相当痛い!って言いました。
 その後看護婦さんがきて、ドクターを呼びにいったんだけど、その間にも野次馬が沢山きてみんな心配そうに見ているので、
 「ムカデに噛まれた」
 と3人くらいに説明して、そしたらみんながそれを一斉に回りに伝えてくれて、
 「ウラがムカデに噛まれたみたい」
 と言いふらしてくれたので、野次馬が減ったと思ったら4人目が来てのんきに
 「痛いの?」
 ってきくから
 「メッチャ痛い、でも噛んだのは絶対にムカデだから痛いだけだと思う」
 「どうしたいの?」
 ってきかれて初めてこの人は野次馬じゃなくってドクターだ!って気がつきました。
 名札もつけずに短パンはいてサンダルで紺のポロシャツ着てるだけだから、仕方ないよね。
 
 とりあえず痛み止めが欲しい
 って行ったらなんか小さいビンを出してきて注射器に移し変えだしたから
 「なんだ、ちゃんとできるんじゃん!」
 ってちょっと安心したけどその間も痛さは尋常ではなく、僕は過去に骨折も脱臼も経験したけど、そういうのと違ってムカデってたぶん相手が痛がるようにわざとそういう成分の入った毒を刺してるから骨折より全然痛い。
 熱湯をずっと足の甲にかけられてるみたいな痛みでした。
 
 「薬のアレルギーある?」
 ってきかれたけど僕はないし痛み止めの注射は昔にスポーツしてるときに何度か打ったことがあったから
 「大丈夫ないよ!」
 って自信満々で言いました。とりあえず何とかいまの状況を変えたい一身でした。
 スッゴク太い注射針で薬を移し変えてまずは足の薬指の上から刺してくれて、それで甲の痛みが少し和らいだので、嬉しくなって
 「凄く効いてるからもっと打って」
 って言ったら、一度抜いた注射器を次は根元にも打ってくれて、その頃にはふくらはぎの筋肉の痛みも和らいで、次は指の裏側から打ったらうそみたいにいたくなくなってきて、これって毒を殺すのではなくてただの痛み止めの麻酔なんだなー!やっぱり病院に来て良かったー
 って思った瞬間に心臓が急にバクバク言い出したから、4箇所目を探している先生に
ちょっと待って、少し気分悪くなってきたから休憩したい!って言ったけど、先生はまだ沢山薬が注射器に残っていたので打ちたそうにしていたから、もう一度
 「待って!待って!少し気分が悪い!」
 って言ったけど言葉にならず、めまいで気を失いそうになって
 スズメバチに刺されてショックで死ぬこともあるらしいし、外国で注射打つときは必ず確認してからって言っていたのにしなかったからかな?目眩って英語でフェイントだったっけ?とりあえず気を失いそうなことを伝えないと、急に沢山打ちすぎたからちょっと待って・・・・ 少し横になりたいっていうか眠りたい、待って待って・・・・・ まずい気を失う、首ぶつけないように手で押さえないと・・・・こうやって人って死んじゅあうのかな?
 次に起きたらオーストラリアに緊急輸送されてるか、天国かどっちかだな・・・・・そして僕は椅子に座ったまま左手は胸を抱きしめるように押さえて、右腕は枕みたいに自分の頭を押さえてそのまま意識がなくなりました。

 次回に続く・・・・・
 

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