2010年2月23日火曜日

まじめにマラリアのこと

授業中に子供にもらって食べたマンゴーで口の周りがかぶれました。枝の付いているほうと逆の方から食べないとかぶれるそうです。「マンゴーを食べたらマンゴーに食べられたんだ」と言ってバヌアツ人は大笑いしてました。

そして先週も書いたブッシュロープのツルです。やはり縄跳び代わりに使っていたブッシュロープはこれもまた漆科みたいで、握っていた手の親指とその周りがきれいにかぶれました。痒いです。寝てるときも痒いです。しかもかゆみ止めの飲み薬飲むと眠くなって仕事できません。だから朝は飲めないです。
毎朝口の周りと、手の周りにかゆみ止めを塗ってます。

足に小さな傷があると、そこにハエがたかってボイラーという病気になります。アフリカなどで、子供の足にハエがたかって膿んでるのを見ると思いますが、あんな感じです。(あそこまでではないけど・・・)
靴擦れで肌が荒れてるときにサンダルはいて外に出ると、一気にハエが寄ってきて攻撃します。だから少しの傷でもすぐにバンドエイドしておかないと、膿んでしまいます。
最初は乾燥させたほうが良いと思ってなるべくバンドエイドしないで置いたけど、やはりしないとボイラーになるので最近ちゃんと張ってます。

タンナにきて三週間、活動が運よく順調に行ってるとおもって喜んでたら、やはりそれなりの落とし穴がありました。三週間で二度目の風邪が待ってました。ちなみにバヌアツきて二ヶ月では三度目。
月曜日の午後になんとなく体がだるいなって思ってたんだけど、きっとかゆみ止めの薬のせいだと思って、水シャワー(水しかない)かぶって寝てました。
火曜日の朝も体だるかったけど、週に一度しかそれぞれの学校に巡回できないので、一週休むと、二週間あいてしまうことになり。薬飲んで何とか頑張っていきました。
午前中は涼しく曇っていたので何とか授業できましたが、午後はカンカン照りで、大声出すとめまいがしました。腰や間接も痛くて、耳の奥も膜が張ったみたいなって、自分の声が変な感じで聞こえてきたりして、フラフラしながら帰りました。
でもやっぱり自分で体育の授業をさせて欲しいと校長先生に頼んでやらしてもらってる以上は、休むのは気が引けるので頑張ってすべての授業を終わらせました。

返ってからはシャワーも浴びずに汗とホコリまみれの体のままとりあえず寝ました。
夕方おきても食事作る元気もなく、薬を飲みたいけど胃があれるのが嫌だったので、とりあえずビスケットを水で流し込むように食べて薬のみました。熱は7,5度だったので、まだ大丈夫だと思ってたら、夜の9時ごろには8度になってました。
「久々の8度だな」って思ってたら11時ごろには9度になってました。そのとき初めてマラリアかも。っておもいました。しかもそのときには相当頭がボーとしてて、体温を計りながら忘れて寝てしまい。次に起きて服を着替えようとしたら、脇の下に体温計が挟まってる状態でした。凄い汗で服をすべて着替えました。
その次におきたのは真夜中、今度はメチャクチャ寒くてしかも汗びっしょり。悪寒とはこのことだな、って思いながら、また洋服を全部着替えて、慌てて毛布に包まり、その外から真冬用の寝袋に入ってチャックを首まで閉めて、顔も寝袋に入れて寝ました。息苦しさより寒さの方が耐えられずそのまま眠りました。

朝方に起きて水を大量に飲みました。熱は8度に下がっていて気分も9度の時よりはましかな?って感じでした。ジャイカからもらった健康対策マニュアルみたいなのを見たら、高熱が出て、悪寒がして節々が痛くて、気分爽快になる。それが数日繰り返すのがマラリアです。って書いてあって、もしかして、今はその爽快期なのかな?っておもいました。

結局その日は仕事には行けませんでした。バヌアツで困るのは電話がないために、病気で仕事やすむと連絡なしで休んだことになるため、先生や校長に迷惑がかかることです。
「こんなに風邪引くんだったらもう少しゆっくりなペースで仕事すればよかったのかな? 結局みんなに迷惑かけてるな・・・信頼失うなー・・・」と思いながら反省しました。

でもその時点でもまだ8度の熱があり、お粥食べて薬飲んで様子見ました。でも熱は下がらず、めまいも凄いので、やはりこれはマラリアかもと思い、思い切って病院にいくことにしました。
そこで考えたのはもしマラリアなら、家に戻ってこれないかも知れない。ただでさえ靴や洋服、デジカメなどは盗まれることがあると聞いていたので、電気製品とお金を家のいたるところに隠して、もしこのまま入院しても大丈夫なように家のなかを整理しました。
お金は壊れたガスコンロの中に入れました。デジカメとパソコンは使ってない納戸のような部屋の押入れの一番上に下からは見えないような角度で隠しました。
洋服はバヌアツに来たときに入れてきた一番大きなかばんに知れて屋根裏に投げ込みました。
高熱で寒気とめまいと戦いながら家の中に物を隠すのはとても嫌な作業でした・・・
もうこの家には戻ってこれないような気持ちさえ起こりました。
病院にいって受付を済まして、1000円払って待っていると、先生が二週間以内にどこか旅行したか?とか最近蚊に噛まれたか?などと質問して。
その後血液検査をしました。中指の先に針を刺して、少しだけ血を採ってガラスの板に延ばして顕微鏡で見るみたいでした。

血を採って廊下で待っていると、隣に老人と孫がいました。
椅子などないので、みんなコンクリートの廊下に地べたに座っていますが、
「どうしたの?」
ってきいてくれたので、
「マラリアの検査して結果待ちです」
っと答えたら、孫もそうなんだよ。って教えてくれました。
しばらくして一人のお医者さんが戻ってきて、孫をゆびさして。
「彼、マラリア!」
と言って 三人は去って行きました。

廊下には僕が一人だけ残されました。
一人になると急に寂しい気分になりました。
もし自分もマラリアなら首都に戻るのかな?それともここで入院かな?って考えました。
やっと活動も順調になってきたのに、とりあえず一ヶ月は家には帰れないのかな?
誰も頼る人いないし、首都にどうやって連絡しようかな・・・・
自分は惨めなのかな?もし他の人だったらどう思うのかな?
などど考えていたら急に逆のことを思いました。

「もし僕以外の日本人がタンナに来いてその人が僕の代わりに病気になって今の僕と同じ思いをして僕の代わりにここに座ってるとしたらそれは相当気の毒だな。だったらここにいるのが今自分でよかったな。」
「まあ別の人ならきっと病気にもならなかったかもしれないけど、それにしてもなんとなく人の役にはたててるような気がするな。」

「ウーン!こんな風に考えれてる僕は相当ポジティブだな!」

「この際マラリアになってたほうがもっと役に立ってる気がするかもな!」
などと馬鹿なことを考えました。 オメデタイ人間でしょ!
そう思うとなんとなく気持ちも落ち着き、二年間もあれば一度くらいはマラリアもなるだろう!と変な勇気がわいてきました。

そしてさっきのお医者さんが戻ってきて何か紙を渡しました。そこには何か汚い字で書いてあったけど、よくわかりませんでした。
マラリアなのかどうなのか教えてよっておもったけど、これをもって先生のところに行けというので持って行きました。
読もうとしたけど、僕の名前がテルヒロ ウラなのに、テルが名前でヒロが苗字になっていることくらいしかわかりませんでした。

でも先生が言うのは結果はネガティブでマラリアでは無いよ。ということでした。よく見たら英語でNEGAとかいてありました。でも血液中の何か(聞き取れなかった)が多くなってしまっているので、アンモキシ
ン?とかいう薬をもらって五日間飲みなさいということでした。抗生物質かな?
血液といえば 赤血球とか白血球とかしかないよな?なんて思いながら、ホッとして家に戻ってきました。なんとなく気が軽くなって、気持ちが落ち着きました。
家に戻っていろんな所に隠したお金やデジカメなどを苦労してもう一度もとの場所にもどしながらなんとなく良かったなー!って思いました。

「病気するのも活動のなかの一つだな」
などど綺麗ににまとめながら、この長いブログを読んでくれた皆様に感謝したいとおもいます。
おそらく同じ内容を日本の家族や友達に送ったら、みんな凄く心配するだろうし、何でそんな思いしてまで外国行くのか?って言われることでしょう。
特に母親は 「それ見たことか!」
と言うかも知れません。

でも病気しても、苦労しても、毎日活動終わって疲れて帰ってきてから水をかぶって体を洗ってスッキリした気分で「今日も暑いなかよく働いたなー」と一人でボーッとしてるとなんとも言えない充実間があります。日本で人と競争しながら仕事してたときには決して思えなかった気持ちかも知れません。
日本には無意識のうちに良いことしかメールしないような気がします。
ブログに書いたら同じだけどね・・・・
ごめんねお母さん親不孝で・・・・・
この先ほんとにマラリアになるかもしれないけど、覚悟しておこうと思います。

ちなみにマラリアが怖いとみんな良く言うけど、僕がきてからあった先輩隊員の話だと過去二年間バヌアツ関係者でマラリアになった人は居ません。それ以前は情報が無いのでわかりませんがもちろん亡くなった人も居ないです。もちろんジャイカと隊員達のきちんとした予防があっての結果だとは思いますが、なにも知らない日本で僕らが過剰に恐れているようなことは絶対に無いです。
バヌアツ人でもマラリアで死ぬ人はめったに聞きません。

写真は恥ずかしながら我が家です。古くて大きな家ですが殺人現場みたいとも言われています。
散らかってるのは病気の後だからではなく、だらしが無いからですゴメンナサイ。
ありのままを書くのがブログだもんね! ではではこの辺で・・・

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