2010年3月5日金曜日

日本、アメリカ、オーストラリアのボランティア達


僕の任地タンナ島には現在日本のボランティアが4名、アメリカのピ

ースコーが10名、オーストラリアから4名ほどのボラ

ンティアがきています。
 
 たまに立ち話しますが、英語でもなくて日本語でもなくて、外国の

人とバヌアツの公用語であるビシュラマ語で話すのは何かおかしな感

じです。

 日本のボランティアとその他の国のボランティアのスタイルの違いは、

日本人は

 「現地の人に溶け込んで、現地の人の為の活動」

という気持ちが強いと思います。

 逆にアメリカやオーストラリアの人は

「自分のキャリアアップの為、自分の経験の為」

 と言う気持ちが強いと思います。おそらく学校教育のスタイルの違い

だと思います。

 西洋文化の学校は

「自分のスキルをあげる、自分に良い経験を積ませる」 

 という感じなのかな?とおもいます。
 
 逆に日本は

「世の為、人の為に立派な人間になる為に学ぶ」

 という哲学が根底にはあるのではないかな?と思います。

お互いに良いところと悪いところがあって、時に日本人は

 「こんなに私が一生懸命みんなの為に働いているのに、何故それを
わかってくれないんだ」
 
と失望する事もあると思います。

 そういうところは西洋文化は妙にさわやかです

「自分の為にやってるんだから、伝わらなくても気にしないよ、だから特
に失望もしないし、自分のスタイルで頑張るつもりだよ、、ダメならアプローチの仕方を変えてやってみるけど、それでもダメなら居ても意味が無いから帰国するか、僕を必要としているところに移るだけだよ」
 
 と言う感じです。
 
バヌアツ人にしてもときに日本人はバヌアツ人の気持ちを理解してく

れて、親身になってくれる、と言う感覚もあるみたいですが。それが逆

に、日本人はヒストイック過ぎるし自分で勝手に物事を難しくしておい

て、イライラしている、そんなにイライラするのならやらなきゃ良いのに

 って思ってることもあるかもしれないです。
 
でもこちらとしては税金使ってこさせてもらってるのだから、何か結果を

出さないと納税者の皆様に申し訳ない、という気持ちが少なからずあります。
 
 でも西洋文化はそういうのは無いみたいです。納税者が怒るのな

ら、その納税者もボランティアになってくれば良い。

 と言うこれもまたさわやかな感じです。
 
 そして自分のキャリアアップだから、失望する事も無くドンドンと仕事

をこなしていくし、また特に仕事の形を残さずに思いっきり楽しんで帰

国するのもそれは自分のスタイルだからと申し訳ない気持ちになること

も無いようです。
 
 そういうところから出てくる西洋文化の割り切りっては日本人には無

いものだと思います。
 
 西洋のやり方は受け入れ側のバヌアツ人にしてみたら、素晴らしい

リーダーシップと合理的なやり方で何事もスローにしか進まないバヌア

ツ人のやり方を変えてくれたと評価されることもあるし、

まったくこっちの意見を聞居てくれずに強引な仕事のやり方をして、無

責任に去っていった西洋人という見方になることもあるとおもいます。

 まあそこはおそらくやり方がどうこうではなくてそのボランティアの人柄が大きく影響するのかとも思います。

 僕はどうなの?って振り返ると、取り合えず自分の限界までは自分

のこだわりをもって突き進んだ気がしますが、それが難しいと判断する

とバッサリと切り捨てて方向転換を図りました。

 その点では納税者の皆様にはごめんなさい、僕の能力ではここまで

でした・・・・ という感じです。

 体育が必要だと考えてくれているのは、ジャイカに要請をだした大臣

や外国に留学したことのある偉い人達で、実際に僕の任地で僕と一

緒に働く先生達は、小学校時代に体育を習った事も無く、日本から

来た僕が、片言の現地語で体育の必要性を伝えても、まだ伝わらな

かったみたいです。僕の仕事はそういう意識付けからはじめるべきだっ

たのに、僕は現地の先生達は少なからず体育を教えたいと思ってい

るとと勘違いしていたのが未熟なところだったのだと思います。
 
 悩んだ結果にそのギャップに自分で気が付いて現地の先生達への

アプローチを諦めて、一人の体育教師として島全体に巡回して体育

の授業を紹介するという方向転換でした。結果的にはみんなには笑

顔しか残さないという

「大道芸人的ボランティア活動」

であったと自分では思っていますがここまでみんなに笑顔になってもら

えたのならそれはそれで良しとしようかな?と勝手に思ってます。

 そしてそういう僕のやり方をみて少しずつ先生たちの体育に関する

意識も高くなってきたと思います。

 追いかけると逃げていくけど、ほっておくと興味を示してくれる、先生

達との関係はそういものでした。

方向転換するまでに相当悩んだから、その後は迷わずに自分の決め

た道を進んできたと思います。
 
 ボランティア側ではないけれでも、日本人、アメリカ人、オーストラリア

人と比べてバヌアツ人はどうなの?って考えると、もともとは島文化だ

し、村文化です、そういう面では日本的、でも農耕民族ではないの

で、協力して仕事する事はあまり無く、お互いの生活に迷惑がかから

ないように気を使えば特に協力する必要は無く生活できています。
 
 でもおそらく日本人よりの考え方が強い気がします。そして現在急

速に西洋文化に変化してきています。

 日本は長かった江戸時代に相当なレベルまで積み上げられた日本

独自の教育と文化そして国力があったから自分達の文化を残しつ

つ、西洋文化も取り入れるというゆっくりな進み方でしたが、バヌアツ

は日本よりも早く西洋化が進みそうです。

 それぞれの国、人、教育、気候などによって人間はイロイロな存在

になるものだと思います。不思議です。旅行では味わえないものをこ

の二年間で味わえたと思っています。
 
 写真は警官の子供のエドウィリー、なかなかの演技派でいつも笑わせてくれます。当たり前だけど、昨年は3歳だったのがすでに4歳になりました。子供の成長は早いなって改めて思わされます。
 
 

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