2010年3月5日金曜日

戦場ドッチボール



スーパー ルーラル プレースのイキティ小学校!

(超ド田舎の小学校!)

サウスの上というところにあり、そこに巡回に行っているとバヌ

アツの人に言うと

「お前大丈夫か?」

「何が?」

「何がって全てにおいて・・・・」

という感じ、サウスは道が悪いし、人口も少なく、しかもその

さらに上のほうだからバイクで登っていくのも結構大変です。

海岸沿いにサウスへ向かってイキティ小学校のある山頂を

見上げるとそこだけに雲が立ち込めている事もあります。

そんなイキティが僕は大好き、こんな山奥でどうしてフラン

ス語習ってるの?って思うけど、そんなことは大して問題では

ないみたいです。

3学期初めの週は子供が学校に来なくて少ないのでみん

なでドッチボールをしました。

しかしイキティのグランドは丘にあったココナッツ畑を切り開

いて牛に草を食べさせてできたグランドで、グランドといっても

凄い傾斜で、芝生といってもそこは牧草地!

牛のウンコが沢山あります。

二つのボールを同時に使ってドッチボールをやっていると、

ボールがネチョッ!と牛のウンコに突き刺さります。

しかし子供はそんなことはなれたもので、草にこすり付けて

ウンコを剥がします。

でもドッチボールで興奮している子供たちはきれいにウンコ

を剥がす前に投げてしまいます。

こっちは絶対にあたりたくないのでますます緊張感のあるド

ッチボールになります。

そのうちにまたグチョッ!っていう音が聞こえて振り返ると、

子供の足が茶色に染まっています。

「まさかお前・・・・」

しかしこちらもそんな事にはかまってられません、立ち止まっ

ていればウンコのついたボールが飛んできます。

空中にはウンコ爆弾が飛び交い、足元のいたるところには

ウンコ地雷がしかけられている、今日の授業はまさに戦場と

化していました。

必死にウンコボールをかわして、必死に投げつけて、そのう

ち自分の足にも何かおかしな間隔が。

まさか自分だけはそういうことにはならないという自信が少

し揺らぎます。ゆっくりと後ろを振り返ると

「ウラがソーリーなことになってる・・・・」

という子供達のささやきが。

でもっちょうど直径30センチのウンコのど真ん中に足が入っ

たので力が上手く吸収されて、サンダルの外側から少しだけ

小指にウンコが進入してきただけでした。

「今だ!とりあえずウラを倒せ!」

という子供達のウンコボール攻撃を必死にかわしながら重

たく湿った足の裏のウンコもそぎ落とします。

日差しも強いし、だんだんとみんなの熱気もウンコ臭くなって

きます。

でもここまできたらどうでも良くなってきて逆にウンコまみれも

楽しくなってきます。

結局一時間ほどウンコにまみれて三学期最初に授業は

終了しました。

なにかスポーツとは違う盛り上がりを見せてた気がします。

きっとウンコと一緒に充満したアンモニアと子供達の汗の臭

いが混ざり合って神経を刺激したのだと思います。

家に戻って庭に置いてある真っ黒のゴミ箱の中に溜めてある

水で水浴びします。何故ゴミ箱かというと、黒いと水が太陽

の日差しで温かくなるからです。

きれいになって昼飯食ってゆっくり昼寝をしました。

夕方パンを買いに行こうと思って、財布を捜してイキティに

ボールを入れて持っていったかばんを空けた瞬間。

「プーン!」

というウンコの臭いが生暖かいかばんの空気と一緒に部屋

中に充満しました。

これぞバヌアツ!これぞイキティ小学校!

人間のウンコに比べたら草しか食べてない牛のウンコはきれ

いなものだと思いました。この臭いなぜか癖になりそうです・・

写真はイキティ小学校、この一見平和なフォールドが戦場と化します。

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