2010年3月5日金曜日

一年住んで思うこと③(自立するって難しい)


バヌアツは1980年にフランス、イギリスの両国の統治から独立して現在建国28年目です。若い国。でも援助の問題点は結構あります。
 
身近なところで言うと、みんな自給自足してるので現金収

入が無い事、だから税金が集められない。

 するとどういうことになるかというと、独立前にフランス人やイギリス人が整備して行った水道や道路、学校の維持費が無いもちろんゴミの回収など夢のような話。
 
ウチの村は植民地時代に州知事があったので、今でも殆ど

の家にはバヌアツには珍しく水洗便所が着いています。

 だから水が出なくなると困ります。
 
じゃあ水道代や水道ポンプの燃料はどうなるの?

という事になりますが、それは先進国からの援助しか無いので

す。だって税金ないから国家予算無いもの。

 学校も同じ、フランスはフランス語を話す国を保ちたいので

フランス語学校に毎年援助をします。

 イギリスは英語を話す国は別に増えなくてもよいのであまり

援助しません。だから援助は寄せ集め、日本にたとえると、

私学はフランス語学校で公立は英語学校という感じです。

 どちらかというと英語学校は予算が少ないです。

 もともと自給自足の生活をしていた人たちに学校や水洗

便所を持たしておいて、後は自分たちで持続するように!

 って言って去っていってしまった国の人たちはちょっと無責

任だから少しバヌアツ人はかわいそうな気もします。
 
そして国家予算がもともと海外からの援助でできているので

みんな物をもらうのはあたりまえになってしまっているのも自

然な流れだと思います。
 
だから体育の授業をしようと思うと
 
「ボール頂戴、芝刈る燃料頂戴」
 
ってなります。最初は僕の仕事は技術移転だから物はあげ

れないよ、って少し戸惑ったけど、色々な国の仕組みがわか

ってくるにしたがってそれも仕方ないなー

 って思うこともあります。もともと彼らは水洗便所も学校も

体育も無しでも自分たちの生活にプライドを持って楽しく生

活してたんだからね。

 それをもう戻れない状態にしてしまってからいまさら自分達

で何とかしなさいって言っても困るよね、動物にたとえるのは

失礼かもしれないけど、いったん餌をもらう事を覚えた動

物はもう野生には戻れないのと同じように援助が無くなった

ら生きていけないものね。
 
 そこを上手く考えるのが今一番の問題、半分助けて、でも

自立の道も探っていく、なかなか形には表すことはできない

けどそういう意識を持ちながら仕事するのって大切だと思っ

てます。
 
 写真はウチの隣のイサンゲルフランス語学校です生徒は約
 250名。校舎はフランスからの援助で立てられています。
筆記用具もフランスからきています。
バヌアツ政府が払うのは約15名いる先生の給料だけです。

 水光熱や芝刈りのガソリンその他のものは一学期につき
 約500円の授業料でまかなわれますが、その500円がなくて学校にこれない子供も居ます。

 

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