2010年3月5日金曜日

ケニート観光委④


丘を下ってジャングルを抜けて行きます、ここら辺になるとすで

に火山灰が凄くて、サングラスをはずすと目の周りだけが白くなっ

たりします。

 ケニーも必死に目を細めていました。僕は木工などに使う安

全用の透き通ったダサいサングラスをかけています。これだとレン

ズが透き通っているのでバイクに乗っていたり、トラックの荷台に

しがみついている時でも眉毛で挨拶ができるから便利です。

 ジャングルを抜けると砂漠に一本の川と大きな岩の塊という壮大な風景が広がります。
 
 ずっと昔にここを訪れたフランス人がそのあまりにも美しい景観

に感動して、ここをシウイとなずける!と勝手に自分の名前を

付けて帰っていったという、単純な地名ですが、なんとなくバヌア

ツのローカルの言葉にも溶け込みやすい感じの名前です。
 
 そのサバクにエアーズロックのような真っ赤な石の塊がそびえた

っています。みんなで記念撮影をしているとケニーはうれしそうに

その岩の塊に登っていきました。時間はちょうど4時頃で岩にあ

たる西日が綺麗でした。 
 
 そのまま火山の前をとをって、とり合えずポートレゾリューションに向かいます。
 
 ポートレゾリューションは東と南の境にある岬です、なのでケニ

ーはポートレゾリューションには行かずにここでお別れになります。

ケニーに

 「ここで降りたら家まで戻れるのか?」

  ってきいたらあいまいな笑顔

でもいずれにしても彼の家までは送っていくことはできないのでこ

ちらも少し真剣に

 「ポートまで言ったら日が沈むけどとりあえず行ってみたいのか?」

 って聞いたら笑顔で頷きました。
 
 何処にでも知り合いの居るバヌアツだからもし月が出なくて歩

けなければどこかの村に泊めてもらえばよいだろうと思ってそのま

まにしておきました。
 
 ポートに行くと選挙のまえなので、人が沢山集まっていました。 

 そしてそこにはとても綺麗な花の道がありました。みんなで喜

んで記念撮影をすると、その先には綺麗な白い砂浜

 が待っていました。

 僕もポートレゾリューションには何度もきたけど、この砂浜は初

めてでした。みんなで記念撮影をして、綺麗な砂浜をみて感動
しました。

 気温が大分下がってきたのでケニーは少し寒そうでした。仕方

が無いのでヒロが荷台にのってケニーは女性達と一緒にトラック

の中に入れてもらいました。
 
隊員はみんなビシュラマゴを話せるので、ケニーが入っても問題はなしです。
 
 ポートの白い砂浜とお花の道に感動し、そのまま岬から火山

へと引き返します。

 そこでもう一度トラックの荷台からケニーに

 「ここで下りるのか?」

 と聞こうとおもって覗き込むと、彼は女性隊員にもらったカリント

ウをとても複雑な顔で口に運ぼうとしていました。

 「だまされているのではないか?」

 と犬のように臭いをかいでいましたが、他の女性たちが食べて

いるのを見て自分も口に運んでいました。
 
 「後ろのトラックの人達にも配ろう」
 
 と後部座席の小窓からかりんとうの袋が差し出されましたが、

後ろの4人はオフロードを走るトラックにつかまるだけで精一杯、

 「今は無理!」

 と言い捨てて僕は寒いのでパーカーのフードを必死に被ろうと

したとき、車の中では僕等に拒否され行き場を失ったカリントウの袋

は再びケニーに向けられていました。

 今度は警戒心もなくうれしそうにカリントウをつまむケニーを見

ながら、僕は少しどうでも良くなってきてケニーに降りるのか?と

聞くのをやめてしまいました。
 
 写真はポートレゾリューションの先にあった綺麗な砂浜です。 

 

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